表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニバース!  作者: ふぁい
第壱章 ユグドラシルの森編
4/130

第四話 回復の理由

「まさかボロボロの身体が修復するなんて!」


マサムネは起き上がって辺りを見回した。


(首もよく回る。手足も動く、どこも痛くない!

 

 これが転移特典なのか?自己修復能力・・・。運命神に要望していたものとは違う。

 

 でも、もしそうならやってみたいことはある。とにかく確認してみよう)


マサムネは目の前にある大きな木に向かって、正拳突きをした。


ドスッ、ドスッ、ドスッ。


大木はびくともしなかった。反対に、拳は血まみれに。木の枝が傷口に刺さっている。


(うん、痛みはある。傷は治るか?)


マサムネは拳を見つめる。1、2、3秒経過。


拳は、血まみれのままだった。


(転移特典は、自己修復能力ではない・・・。ではおれは何故、助かったのだ。


何か魔法にかかった? 否


誰かがポーションをくれた? 否


何かを口にいれた?葉っぱを食べたような。葉っぱ?まさかな・・・・)


マサムネは、足下にある緑色の葉を口に入れた。


味はしない・・・が、拳の傷がみるみるふさがっていく!


「なんと!ここは世界樹の森かよ!!」



マサムネは興奮して、その場で叫んでしまった。誰もいない森に男の声がこだまする。



(なるほど、冒険のスタート地点としては悪くない。


まずは水辺を探すところから始めよう。生活基盤を確保して、そしたら修行だ。


あんな怖くて情けない気持ちはもうたくさんだ。身体を鍛えよう・・・。


どんだけ殴られたって、空から落ちたってビクともしない身体になるんだ。


世界樹の葉で回復するなら、少々追い込んでも大丈夫だろう。


思えば、空から落ちて、死にかけたこともプラスだったのだ。


今まで怠惰な生活を送っていた俺を、運命神が叱咤激励してくれたのかもしれない。


死ぬ気でやれっていうメッセージだったんだな・・・。ありがたや・・・。


そう、死んだら終わりなんだ。強くなりたい。いや、絶対に強くなってやる)



「ありがとう、運命神・・・。空から落としてくれて。おれ、頑張ってみるよ」


マサムネは高らかに拳を天に上げて、それは、いい顔で宣言した。


この大いなる勘違いが、ユニバースの危機を救うことになるとはまだ誰も知らない。


運命を司る神すらも・・・。





天界にて


「やっっべ、転送座標ミスった。高さの計算入れてなかったわ。アイツ生きてて良かったぁ」


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ