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ユニバース!  作者: ふぁい
第参章 もう一人の異世界転移者編
30/130

第三十 話 王都へ

こんばんは、6月ですね。

もう2020年も半年が過ぎるのか。はえーな。

というわけで、30話目ですよろしくお願いします。

「助けてくださり、ありがとうございます」


血まみれの女性は、微笑みながらお礼を言っている。


「いえいえ、私は鉈を受け止めていただけです」


と謙遜しているクラノスケも血まみれだ。


ボスゴブリンは、ゼノンの闇の波動拳をくらって、

数百メートルぐらい吹き飛んでいる。

乱雑に飛び散った木々をみるに無事ではないだろう。


「すごい、一撃だったなゼノン。あんな隠し技があったのかい?」

クラノスケは素直に感心していた。

遠距離攻撃が届かないなら、零距離で撃つ。

こういう柔軟な発想は勉強になる。

(良い部分はどんなグズからも見習わないとな)

クラノスケは格下からも学べる自分かっこいいなと、酔っていた。


「・・・無我夢中だった。ともあれ二人とも無事で良かった。これを飲んでくれ、ユグドラシルの葉をすりつぶして、水に溶かしてみた・・・飲みやすいと思う・・・」


二人は、ゼノンから緑色の液体を受け取りすぐ飲んでみた。

うーん、不味い。

良薬口に苦しの言葉通り、みるみる傷口が塞がっていく。


「ああ良かった。本当に何から何までありがとうございます。私は、クロエ。王都で薬屋をやっています。いつもは都の近くで薬草を採取しているのですが、祖母が難病になってしまいまして・・・。

 藁をも掴む想いでこのユグドラシルの森へ来たのでございます」


「なるほど、どおりでこんな危険な森にか弱い女性がいるのか合点がいきました。どうでしょう、クロエさん、良ければゼノンと一緒に王都へ送りましょうか?また、ゴブリンが襲ってきても大変ですし。良いかなゼノン?」


「・・・・わかった。オイラもついていく。クラノスケと一緒だと強くなれそう・・・」

「わあ、それは心強いです。ありがとうございます。お礼は王都へ着いてからさせていただきますね」


こうして三人は、ユグドラシルの森を出発し、王都レオンガルドへ向かった。



▼▼▼▼


道中、馬車にて。


「いやあ、途中で行商人の方に会えてよかったなあ。馬車でも3日くらいかかるって話じゃないか。徒歩だと何日かかっていたか。ホント運がいいよ」


「ヒャヒャヒャ、旦那、アッシが、通りかかってなかったら絶対に餓死してましたよ。これも何かの縁でさぁ」


と言いながら、行商人は笑っている。なんともキレイな出っ歯だ。


王都への道のりは、クロエの案内でなんとかなった。食事は、森で狩ったウサギをゼノンが解体し、調理してくれた。ゼノンの隠れた特技が光る。

野営と行軍を繰り返しながらでも、王都へは着く。が時間がかかりすぎる。

ちょうどクラノスケが野営に飽きてきたところに行商人の馬車が通りかかったのだ。


「王都へ着いたら、お二人はどうするんですか」

クロエが尋ねる

「とりあえず、ゼノンも俺も強くなることが目的だから、冒険者ギルドへ

 行こうかな。ダンジョン探索なんかをしながらレベル上げをするよ。

 それよりも、まずは宿屋だ。早くフカフカのベッドで眠りたい。クロエ、

 おすすめの宿はあるかい? 」


「ふふふ、それなら馴鹿となかい亭という宿がオススメですよ。あそこのグルンカリーという食べ物が辛くて美味しいんですよ」


カリーというのはカレーのことだろうか。まさか異世界にきて安直な。

とクラノスケは思ったが、初異世界料理に期待は膨らむばかりだ。


そして、あっという間に3日が過ぎ、馬車は王都レオンガルドへ到着した。


「では、アッシはこれで失礼しやす。運命神のご加護があらんことを」

そう言い残し、馬車は行ってしまった。

出っ歯に目がいく味のある顔の奴だったが、とても良い人だった。

タダで馬車に乗せてくれたし、旅話も面白かった。また会えたらいいなと、

クラノスケは思った。


「ありがとうございました。早く祖母に薬を飲ませたいので、私はこれで」

都へ入るやいなや、クロエはお辞儀をし、走って行ってしまった。

身内の一大事だ、道中はクラノスケ達に合わせていたが、内心は気が気じゃなかっただろう。


(薬屋をやっているそうなので、拠点が決まれば、またよろう。まずは宿屋だ)


「クラノスケ・・・オイラちょっと・・・うんこ」

と、ゼノンもお尻をおさえながら走っていってしまった。

緊急事態だから仕方ないだろう。気を取り直して、宿屋だ。


クラノスケは宿屋を探した。クロエが教えてくれたのは、

馴鹿となかい亭。どうやら、値段がリーズナブルな割に料理がとても美味しいらしい。


「あの角を曲がった先にあるのが馴鹿亭ですよ」


街行く住民に道を尋ねながら、馴鹿亭の近くまできた時、


ピカー


突然、かみフォンが光った。

お読みいただきありがとうございます。

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