第二十七話 森で見かけた変なヤツ。
パアアアアアア
天空から光が降り注ぎ、クラノスケは、森の中に転移した。
空気が澄んでいておいしい。晴れの日の山に来たみたいだ。
「本当に森に転移したな。ユグドラシルだっけ。綺麗なところだな。
おっと、感動している場合じゃない。とりまレベル上げをしよう。
強くなれるだけなっとかないと、他の選定者に勝てないしなぁ。
『上昇志向のチカラも試したいし・・・」
そういいながらクラノスケは、女神から貰った剣を握りしめた。
どうやら、アップテンポというのが剣の名前らしい。
もちろん、上昇志向にそんな読み方はないので、注意が必要だ。
ガサガサ ガサガサ
茂みの奥から、ウサギのような動物が現れた。
ようなものとしたのは、ウサギにユニコーンのような長い角が生えていたからだ。
クラノスケは剣を構え、
「ストーンバレット」
剣を使わずに魔法を試した。手の平から拳大の石を射出する地属性魔法だ。
ガゴッ、石は角ウサギに命中し、ウサギは動かなくなった。
瞬間、クラノスケの身体にチカラがみなぎった。
「これがレベルアップってヤツかな。身体がすごく軽くなった。チカラが漲ってくるぞ。
うんうん、なんかゲームみたいで楽しいな。よし、どんどん狩ろう」
ストーンバレット ストーンバレット ストーンバレット
ストーンバレット ストーンバレット ストーンバレット
クラノスケは茂みから出てくる角ウサギを片っ端からぶちのめしていった。
魔法を使う度に、魔力を消費するのだが、レベルアップ回復を利用したので、問題なかった。
「ぐがががぎぼごごごごご」
遠くの方で何かが森に落ちたような音がした。が、クラノスケは気にせず、
ウサギを狩っていく。ちょうど、角ウサギの死体が100匹に達しようとした時、
「たーすけーてくれーー」
気の抜けたような声が聞こえた。
クラノスケが行ってみると、誰かが緑色の鬼に教われている。
緑色の鬼ーーーゴブリンか?
アニメや漫画に詳しくないクラノスケでも見たことあるモンスターだった。
ゴブリンに襲われている相手・・・人間と呼ぶには疑問が残る出で立ち。
尖った耳、紫色の皮膚、髪は綺麗な銀だった。人間ではなさそうだ。
「ストーンバレット」
とりあえず、クラノスケは魔法でゴブリンとその男を一掃した。
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