第二十話 女の独り言
ワタシの名前はピョウ・ブリザドリス
魔界九家が一人。
幼なじみのリンが行方不明なので、
このエンドバクタまでやってきた。
この街には九家の息のかかった者が何人かいる。
だから表の情報から闇の情報まで手に入る。
最果ての街にまで勢力を伸ばすなんて、
ホント、魔界の貴族に生まれて良かったわ。
最初から勝ち組。チカラこそパワー!なんてね。
ダメよ、ダメダメ。うぬぼれてちゃ。貴族の悪い癖。
油断、ダメ、絶対。
リンみたいにやられちゃうわ。
どうやらリンを殺ったやつは、3ヶ月前から
この街にきたらしい。リンの服と徽章を持って。
許せない。
あの煉獄の貴公子リン・フレイムウォールが遅れをとるなんて。
きっと、数にモノを言わせてボコボコにでもしたんでしょう。
ワタシにはわかる。でも、ワタシには、通じない。
間者から、ヤツは魔法が使えないという情報を得た。
やっぱり無能者よ。だから、この街ごと凍らせてやる。
ワタシの氷は、そんじょそこらの炎じゃ消えないわ。
それこそ、煉獄のフレイムウォールの火。彼がいなくなったら、
もうワタシの氷は無敵よね。それもなんだか少し寂しいわ。
ダメダメ、また暗くなってしまったわ。
いずれここも魔族の勢力下に入る。
今のうちに人間は排除しておきましょう。
すべては、魔族の為に、盟友、フレイムウォールのために。
しかし、あの間者も歯が出まくって気持ち悪いわね。
ツバも飛ばすし、笑い方も気持ち悪かったから、
今からでも凍らせておきましょう。あんな雑魚いてもいなくても一緒よ。
ああ、明日の朝が待ち遠しいなぁ。
みんな氷漬けになっちゃえ♩
お読みいただきありがとうございました。
非常事態宣言解除の県が増えて良かったですね。
でも、油断してはダメですからね。
油断したら、マサムネが来ますよ。