第十九話 今語られるユニバース創造神
おはようございます。
今日も1日ブイっといきましょう。
「まさか、運命神の加護持ちなんて・・・」
アイムールから物珍しい視線を向けられた。
「そこ?!もっと恐ろしいポイントがあったでしょうよ。
魔法神の全力全開って何さ?魔法神って誰ぞ?」
マサムネは自分のステータスに突っ込み所が多すぎて、
混乱していた。特に魔法神という新しい神の存在。
しかも超絶嫌われている確信があった。
「アタイが知ってる範囲だけどね、このユニバースという世界は、
3人の神様によって創造されたと言い伝えられているの。
運命神エスタ・ユング様、武神タウ・ミノフスキン様、
そして魔法神アレクシア・グッドローズ様よ。
各神様はユニバースにおいて絶対的な存在。
神様ごとに信仰都市があるくらいなのよ」
確かに運命神の加護のおかげで、マサムネは斧の達人になる道を歩んでいる。
アイムールと出会えたのもそのおかげだろう。では、一体どうして
魔法神の逆鱗に触れてしまったのだろうか。
心当たりは・・・・・むちゃくちゃある。
森を全裸で闊歩したこと、粉々に破壊したこと、ゴーレムをぶっ倒したこと、
斧に乗ってユニバースを一周まわった際にオシッコをしながら飛んだこと。
どれも神様が気に入らなそうなことばかりだ。
「そんな絶対的な存在に嫌われてしまっては、魔法なんか使えないな・・・」
マサムネはヒドく落胆した。本当に魔法を使うことを楽しみにしていたのだ。
しかし落ち込んでいても仕方ない。マサムネは決心した。
「アイムール、魔法神の場所を教えてくれ。ダメ元で謝りにいってくるよ。
意味わからないことを言うかもしれないけど、おれ学生時代は文系専攻だったんだ。
人間関係は、すべてコミュニケーション不足が原因だと思っている。
だから行くよ、アレクシアに会いに。この斧に乗って!」
マサムネは、もう前を向いている。
この前向きさこそが、マサムネの真骨頂なのだ。
「ダメよ!ダメダメ!!マサムネは、ここにずっといるの!!
アタイの次は、アンタがギルドマスターになるの!!」
と叫びながら、アイムールは飛び出していった。
泣いていた・・・ように思う。
マサムネは不謹慎にもテンションが上がった。
アイムールの気持ちは嬉しい。だが、決心は固かった。
明日もう一度アイムールに話してみよう。きっとわかってくれる。
マサムネはそう思い、自分の部屋へ帰った。
訓練所から二人がいなくなったあと・・・
マサムネとアイムールの会話を聞いているものがいた。
訓練所の壁にもたれかかっていたゴンズ・・・は寝ていた。
が、その陰に隠れていた男ーー会計係のヤグルシだ。
「ヒャヒャヒャ、いいこと聞いちゃった♩」
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