第十七話 魔法適正
マサムネがギルド職員になって三ヶ月が過ぎた。
「ハアハア、マサちゃん、大分動けるようになってきわね」
訓練施設でマサムネはアイムールに稽古をつけてもらっている。
「これで歩法は、ほぼ完璧よ。
斧を操るには、足腰の動きが大切なのよ。
歩法ができれば、操斧術が使える。私のようにね」
この三ヶ月、マサムネはアイムールの下半身を観察した。
全ては操斧術のため。時にあわよくばの気持ちでエロい要求もした。
3回ぐらいオッケーをもらい、一夜を共にしたこともあった。
ここは第二の世界樹の森かと言いそうになったが、
アイムールは毛深い方なので自重した。
実際、戦闘面ではマシになったように思う。
相手の視線や気配によって動きがわかる。
動きがわかると、よけるのか反撃するかの判断が早くなる。
瞬間回復能力を持つマサムネなのだから、攻撃を受け止めるという
選択もあったが、痛いのはイヤなのです。と謎の頑さをみせた。
「基本ができてきたから、次はマサちゃんの魔法適正でも調べようか。
魔法って使えると便利なのよ。戦いの幅が抜群に広がる。
私は風属性。自分の身のこなしのスピードを底上げしたり、
相手の体勢を風圧で崩したりできるのよ」
得意満面の顔で魔法のことを語りながら、
アイムールは、水晶玉を持ってきた。
「さあ、これに手をかざしてみて。適正に合わせて色が変わるから」
アイムールの話をまとめるとこうだ。
赤 火属性
青 水属性
黄 地属性
緑 風属性
紫 毒属性
黒 闇属性
白 光属性
虹 全属性いけまっせ
マサムネは理解した。転移者なのだから、虹っしょ。
最初に運命神と魔法の適正の話はしなかった。
だが、魔法剣を使いたいという願いは伝えたのだ。
これは運命神が忖度する事案の筈だ。
今の状態から全属性魔法が使えたのなら、強いぞ!
敵の弱点をついて攻撃するというのは、
ポケモンとロックマンで痛いほど学んだ。
戦いに合わせて自由に選択できるのだ。
「これから俺の不敗伝説が始まるな。ふははは」
マサムネは心をときめかせて、水晶に手をかざした。
水晶は光らず、ドロドロに溶けて床に広がっていった。
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