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ユニバース!  作者: ふぁい
第八章 人魔決戦編
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第百十一話 魔法神の用件


「魔法神・・・一体何のようだ?」



クラノスケは突如現れた魔法神に尋ねる。

アレクシア・グッドローズ――ユニバース創造神の一人だ。



「壮健でなによりだ、クラノスケ」



「まさか顔を見に来ただけと言うのではあるまいな」



「フフフ、我もそこまで暇ではないぞ。何悪いようにはせぬ、ちょっと魔法宮まで来てもらおうと思ってな。迎えにきたのだ」




「突然どうしたのだ?この戦争よりも大切なことなのか?」



「なあに、少し稽古をつけようと思ってな」



「稽古?」



「ああ・・・タウがあの変態を鍛えてるみたいなのは知っているな?クラノスケがあの変態に遅れをとるわけにはいかぬ。ついてくるが良い」



「変態?誰のことだ」



一番に頭に思い浮かんだのは全裸の斧使いだ。しかしこういっては何だが、ユニバースには変態が溢れている。誤解があっては大変だ。



「わからぬか?あの全裸が常態化した男だ。おぞましい。我の美的感覚から大幅に外れておる。彼奴だけは、殺しておかねば気がすまぬ。クラノスケ、お主は我に選ばれたのだ。転移して五年以上経つが人質のことは、忘れてはおるまい?」


クラノスケの顔がみるみる青ざめていく。

転移前、クラノスケには妻がいた。そしてそのお腹の中には新しい命も。それを人質に取られたため、クラノスケは無理やりユニバースに転移されたのだ。



「お、覚えているとも。家族のことはひと時も忘れたことなどない。だが、今は戦時中だ。オレだけ離脱しては、仲間の信頼を失ってしまうかもしれん。それは選定者同士の闘いで不利になるのではないか?」



食い下がるクラノスケに、アレクシアは不敵な笑みを浮かべる。



「我のチカラをもってすれば時間ぐらいは超越できる。ここが滅ぶ前には間に合わせようぞ。ここにいる者にも悪い話ではあるまい?せいぜい時間を稼ぐといい」



そう言うとアレクシアは右手で空中に円を描く――

空間に穴があき、向こう側に氷の宮殿が見える。


「さあ、考える時間も勿体ないぞ。五秒で決めい!」



「・・・・クラノスケ・・・・」


ビビはクラノスケに視線を送る。

クラノスケはその視線に目配せで応え、



「わかった。その方が確実性がありそうだ。同行しよう」



そのまま魔法神の開けた穴へと入っていった。

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