表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニバース!  作者: ふぁい
第八章 人魔決戦編
107/130

第百七話 ヴェルトの高揚


「ビーム兵器きます!!」



まさかの報告にブリッジ内に緊張がはしる。

完全にゼン・ヴェルトの読み違えである。先制攻撃さえ決まれば後は勢いでいけると考えていたのだ。

まさか敵から超弩級の奇襲を受けるととは・・・。無敗の策士が聞いてあきれる。しかし、まだ神はヴェルトを見放してはいなかった。



アクアジェラートから放たれた閃光は、右翼に展開している艦隊に直撃する。

しかし、当たった筈の艦隊は無傷だった。


一人の竜人が槍を回転させて、ビームを拡散している。

艦橋に立つ竜人――彼こそが、ザイ・カロットだ。

魔族随一の槍士にして、武器も伝説級。武力だけならばこれほど安心できる仲間もいないだろう。


「航空部隊は、全隊、ザイ家艦隊の後ろへつけ!それ以外は魔法シールドの用意。いつでも展開できるようにしておけ!!急げよ!!」


ヴェルトは、冷や汗を拭いながらも指示を続ける。


(たまたまカロットの方へビームがいって良かった・・・。あの槍馬鹿ならばあれぐらい何度でも弾くであろう。奇襲に奇襲で返すとは・・・人間族の中にも策士がいるのか・・・おもしろい!)



ヴェルトは自分が高揚していることに喜びを感じていた。

これまで新しい戦術を試したくとも相手がいなかったのだ。ヴェルトのレベルが高すぎたというわけではない。ただ単純にヴェルト以外の魔族が軍議ができなかったのだ。父親を始め、側近の者、果ては他の魔界九家の者に、何度ルールを説明しても、理解してもらえなかった。


ヴェルトはずっと一人軍議をするしかなかったのだ。軍議を知るものがヴェルト一人だけだったからこそ、いつしか魔族の中で一番の策士と言われるようになった。いつかこの無数の戦術を試してみたい。そう長年焦がれ続けての今である。人間側の策士と戦術バトルができる。ヴェルトの止まっていた時が動き出したのだ。


実際には人間側に策士などなく、たまたまビビが新しい弓を試し撃ちしただけなのだが。



(二撃目はこぬか・・・連射はできないということか・・・しかしそう見せかけて第二波を撃つつもりだな・・・そうはいかんぞ。ふふふ我慢比べというワケか・・・おもしろい。受けてたとうではないか・・・)



こうして、戦況は序盤から膠着状態に突入する。

驚くべきことに、このまま五日経過するのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ