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ユニバース!  作者: ふぁい
第八章 人魔決戦編
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第百四話 掌返し


ノヴァから放たれた熱線は、ゼノンに直撃する。



「うわーやられたー」



ゼノンは、大きな声で棒読みのリアクションをした。



「ふふふ・・・やったか」



ノヴァは思わずガッツポーズをする。

しかし、熱線は、ゼノンの手の平に留まっている。


「バカな・・・いつものやせ我慢ではないのか・・・」


予想外の展開にノヴァは少し焦ってきている。



「まあ、この前のオイラだったら即炎上案件だったよ・・・でも!!」



ゼノンは熱線を受け止めていた手の平をそのまま天にかざす。

熱線はそのまま天空へと昇っていった。



上方掌返ライジングサンだ。ちょっと身体強化のコツを掴んだんだ。こんな風にな!!」



目を凝らしてよく見ると、ゼノンの身体の周りに、うっすらとオーラのようなものが見えた。紫と白が混ざったような色、紫白色とでも名付けよう。

そのオーラがゼノンの足に集中していく――



瞬く間のできごとだった。



40メートルは離れていた二人の距離、ゼノンはそれを一瞬で詰める。

そのままノヴァの腹部へ掌底を打ち込む。



「ほげべ!」


ノヴァの口から唾液が溢れる。

さらにゼノンは右手を振り上げ、そして、



「こんな魔法はどうだ。タイヤーボーデ」



詠唱ともにゼノンの右手が黒く染まっていく。

黒い靄は、円形になり大きなタイヤとなった。



「バカな・・・その魔法は・・・()()()・・・」



ゼノンはそのまま右手のタイヤを振り下ろす。

ノヴァの頭蓋は砕け、頭部は胴体にめりこみ、そのまま身体は膝から地面へと倒れ込んだ。




会場が静まり返る。

ほぼ全員の魔族が現状を理解できないでいる。


落ちこぼれのゼノンが、エリートの魔法を跳ね返し、一瞬で距離を詰めて撲殺したのだ。



ゼノンはゆっくりとマイクを拾い上げる。



「ジン家の当主は、死んだ!弱すぎた!!こんな男が、魔族の将来を背負うなんて、馬鹿げている!!オイラを見ろ!!この血塗られたタイヤを!!!これこそが、力!力こそが、パワーなのだ!!!文句がある奴はかかってこい!!!」



会場は未だに静けさを保ったままだ。

誰もが皆、どうすればいいのかわからなくなっていた。そのとき、

小さな拍手が聞こえた。音はとても小さなモノだったが、静寂の時だからこそ、その音は会場中に響きわたる。


拍手の主は地蔵だった。



「トウ様が拍手をしておる・・・」


「トウ様が、ゼノンを認めたのか・・・」


「あの圧倒的な力は・・・誰も敵わない」


「うおおおおおチカラこそパワー!!」



トウ・バレンシアが落とした小さな波紋は次第に周囲へと伝播していく。

それは大きな歓声となり、ゼノンに送られる。



「同士たちよ、ありがとう!!必ず、魔族最後の戦争に勝とう!!!オイラが・・・オレが司令官だ!!魔族に大勝利を!!!ジーーク・ゼノン!!!」



「ジーク・ゼノン、ジーク・ゼノン、ジーク・ゼノン・・・」



ノヴァが士気を上げる目論見は、見事ゼノンによって成し遂げられる。

ここに魔族の新しい指揮官が誕生した!!!

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