第十話 そりゃあ神様もどんの引きですよ。
魔法宮ディバインセレナにて
「なんぞ、あの威力、ユグドラシルが吹き飛んだよ・・・」
魔法神アレクシア・グッドローズは、顎が外れそうになった。
神界では最強に美しい女神とまで言われているのにだ。
「こんな人外がエスタの手駒になったの?ホント、信じられない。
地球人に特典能力を与えたとしても、せいぜいサイクロプス級でしょ。
今のアイツはガーディアン15万体を一撃で屠れるチカラを持っている。
しかも魔力量もケタ外れ。どんな修羅場をくぐったらああなるの・・・」
魔法神は鼻水を垂らしながらボヤいている。
こんな姿、側近に見られようものなら、地獄の果てまで逃げられてしまう。
「マズいわね。このままだとラグナロクに支障をきたす・・・。
今のうちに対応しておきましょう。ちょっと魔法が使えなくなったからといって、ユニバースでは、珍しくないでしょ」
と言いながら、魔法神は右手で四角、左手で三角を宙に書き出した。
「これで良し。うわーあの人外、なんか泣いてるぅうう。ゲロも吐いてるし。
キッショ。えっ、何よそれ、涙とかゲロが当たった所から木が生えてる。
どういう身体の構造してるのあの子・・・・。キモ過ぎ」
保身のため、生理的に無理なため、
最強の魔法神はマサムネを倒す為に何やら画策し始めた。
これからどんな危機がマサムネの身に起こるのか・・・。
それはまだ誰も知らない。
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