第一話 マサムネ、暁に死す
はじめまして。ふぁいと言います。
よろしくお願いします。
「今日は最高の一日だ」
フライドチキンをバーレルで、ピザのLサイズを二枚。
テーブルの上にそれらを並べ、動画配信サービスでアニメを見る。
それが水鏡マサムネにおける最高の休日の使い方だ。
ゴクゴクと喉を鳴らして、チキンを炭酸飲料で流し込む。
「くぅ〜〜たまりませんわ」
30歳を過ぎて、仕事も一通り慣れたものの、ストレスは日々感じている。
そのストレスから逃げているのだろうか。食欲が止まらない。
高校生の頃は、お菓子やジャンクフードを沢山食べてもまったく太らなかった。
むしろガリガリで、それが少しコンプレックスだった。同級生と腕相撲したら秒殺されて、ジャンケンで負けてもいないのに、重い荷物を沢山持たせられた。このままでは、ダメだと一念発起して、クラスの人気者にチカラ比べをしようにも返り討ちに合う始末。苦い思い出だ。
そんなコンプレックスを打破する為に、大学進学の際に、プロテインをたくさん飲んだ。
しかし、シンドイことが大の苦手だったため、筋トレを一切せず、結果食べたら食べた分だけ太る身体に進化してしまった。
高校生の頃に比べて体重が30キロ増。5キロ太る度に一念発起が発動してダイエットを試みるも失敗。また5キロ太って、一念発起ダイエット、失敗。の繰り返し。
三十歳を目前に控えて体重は100キロに達しようとしていた。
一度切りの人生なのだから、好き勝手に生きるのだ。
と、一見豪快な感じだが、実際は意志の弱い豚野郎だ。
さらに中二病でアニメオタクときている。特にファンタジーものの世界が大好き。
魔剣士や炎使いに憧れる。空を自由に飛び、時間を止めることができたらなと考えたこともあった。二次元はいい。それが全て叶うのだから・・・。
今日はどんなアニメを見ようか。
そんなことを考えながら、マサムネは、ピザを3枚重ねで口に放りこむ。クチャクチャとチーズとベーコンを咀嚼しながら、チャンネルを持つ。アレ?なんか息苦しいな。ジュースで流し込もう。あれ?ない。ヤバい。このままじゃ死ぬぞ。飲み物はどこだ。水、水はどこだ?水ううう。
四畳半の畳の上でのたうち回りながら、マサムネの意識はそこで途絶えた。
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