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最強の者に最高の死を!  作者: 瓜野ロマ
第一章:教師をすることになったんだが…
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3:なんか馬鹿にされたんだか…

「お前らの先生になった、ロウだ。種族は人間(ヒューマン)…以上」


 そう言った瞬間、あたりがシーンと静まった。え、何?俺なんかヤベェこと言った?やっぱりここにきたこと後悔してきた。横をチラッと見ると、他のみんなは微妙な表情をしている。桜とか「はぁ…自覚が足りません…」とか言ってる!!マジでなんかした?急きょ会長の爆弾発言の時を思い出す。













「会長さん…大丈夫か」

「熱があるんだね〜。コールドブレスで冷やす〜?」

「2人とも、私はふざけてなんか…おい、ロウ取り押さえるな。龍君もちょっと待て、いや、マジで!吐く準備しないでー!!」


 会長さんとしばらく格闘をし、ノルンたちに止められて落ち着いた。会長が一本のシャーペンを置き、芯をカチッと出した。


「このペンには認識阻害と防音の魔法が付与されてある。芯を出している間は誰にも書かれることはない」

「お前、何を言ってんだ。教師をやれ?どう言う風の吹き回しだ?てかそこまで内密なことなのか?わざわざそんなペンとか、使う必要あるか?」

「まあまあ。まずは話を聞いてもらいたいな。私が今何をやっているか知っているよな」

「ああ、もちろんだ。ニートだろ」

「違う、そうじゃない。私は今ーー」

「わかった、フリーターだね〜」

「そう、って違う!なんで私はそう言うイメージなんだ!」

「「「会長だからだろ(だよ〜)(ですよ)」」」

「お前ら…」


 再度格闘が始まる。今度はノルンも参戦!…だがその前に桜に全員がナイフをぐさりとやられた。かなり深く刺さっている…


「…話を続けてもらっても?」


 目が恐ろしい。会長までもが「あっ…はい」とちょっとびびってる。さすが桜さん。立場が上の人に対しても容赦なし。


「私は今この王国に一つしか存在しない防衛学校の校長をしている」

「初耳だな。というかとんでもねぇとかについたな…」

「この王国は防衛する力が乏しすぎてね、このままではあと100年は持たない。だから私は少しでも有力な人材を作るためこの学校を設立したんだが…」

「?何か問題があるのか。聞いている限りなさそうだが」

「ロウ、お前最初の彼女の提案聞いてただろう」


 シリウスがその問いにズバリと答える。


「その学校の教師が足りないんだろ」

「ご名答。創立当時は教師がいたのだが、10年たった今ベテランの奴らがほとんどいなくなっちまってな」

「…10年でそんなにいなくなるもんなのか?」

「それがな…消えてるんだよ」

「何?」


 教師方が消える?ありえない。


「原因はわからないのか」

「残念ながら、な。神隠しにあったように、いつの間にか消えてしまっている。最近そのようなことは無くなってきたのだが、それにより逆に原因が分からずじまいさ。だが危険は無くなったわけではない。よって熟練教師の数が激減しているんだ。そしたら新米教師はベテランからの知識などが入らず、このままじゃまずいんだよ」

「なるほどな、そりゃ大変だな…で本音は?」

「今の教師の教え方は堅苦しくてつまらんから、君たちの絶対に他の人が経験したことのない指導を頼む!」

「さっきまでの教師数減少問題はなんだったんだよ!深刻な話から一気にしょーもなくなったな!」


 なんでこいつの話はいつもこうなんだ?毎回ラストで今まで積み上げてきたものを潰していくそのスタイル。


「で、話はそれだけか?今のところ、乗る気は全くと言ってもいいほどないが」

「はあ、だが君はそうでも、他のみんなはどうだい?給料も他のものと比べればなかなかな値だよ」

「「「「「別にいい(です)(よ〜)」」」」」

「…」


 他のみんなは俺の方を見て、黙ってサムズアップ。どうやら考えは同じようだ。「めんどいことはやらないスタンス」ナイス、みんな。すると会長さんは何かを決断したような表情になった。


「こうなると仕方がない。奥の手で行くか」

「なんだ?金をあげても無理だぞ」

「そうそう、僕らはそんな者には揺すられないよ〜多分」


 おい、もっと俺らを信じてくれ、龍君。ちょっぴり悲しくなったところで、不意に会長さんがにやりとした。


「ところで、君たちは自らの目的のためになかなか暴れているようだね」

「「「「「「………!!!!!!」」」」」」


 全員表情が一気に硬直する。まさか…


「ユーコンの国でとある組織が全員皆殺しに遭っていた。運良く生き残っていた1人は、殺し屋が来たーとか言ってたんだよなー」

「…」


 棒読みで話す会長さん。てか、こいつ脅しにきやがった!アルがここで割り込んできた。流石に不味いと思ったのだろう。


「会長さん会長さん、それはあくまでもロウだよね。私たちは関係ないよね」

「おい、何ちゃっかり裏切ってんだ」

「ああ、あとアルバートにあった名高い犯罪組織が丸ごと壊滅してたなー。防犯カメラには辛うじて何かが写っていたよ。獣の尻尾だったなー。猫耳も歌ってたようなー?」


 あるが超わかりやすく「ギクッ」とした。よく見ると柔らかいほっぺたにつーっと冷や汗が垂れているのが見える。図星かい。桜がため息をする。


「はぁ…貴方達の行動は目立ちすぎなのですよ。だからあれほど自重しろとーー」

「そういえばオンタリオの街で裏取引をしていた2つの悪徳商売業者がどちらとも全員背中にナイフが刺さってたなー。不思議なことにそのナイフ、全てがきれいに心臓を貫いていんだよなー。いやーっ達者な芸当だなー」

「…」


 みんなの視線が一気に先ほどナイフを使っていた者に移る。


「…ナイフは一般家庭にもありますが」

「いや、それを組織壊滅に使用する奴お前しかいないから」


 こいつ、言い訳し始めやがった…また明後日の方向に目線向けてるし。


「いくら君たちの行っていることが善であろうと、殺人しているには変わらないんだが…暴露、する?」

「こいつ、悪魔だ…」

「ふっ…気づくのが遅いぞ?ロウ」


 会長の目がだんだん勝ち誇ったかのような目になっている。口元のニヤケもどんどんいやらしく深みを帯びていく!


 本当に悪魔だ…多分みんなもそう思っただろう。


「まあ、別にこの話になりたくなきゃそれでいいんだが。ただ私が国王陛下にちくりゃいいんだし」

「やっぱお前悪魔だろ……ちょいと相談させてくれ」

「了解した。なんか注文しに行ってくるよ。ここのファストフード、なかなかうまいからな」


 一旦会長が場を抜け、改めて6人になる。


「で、どうするよ?」

「俺は別に入っていいと思うが」

「私も賛成」

「僕もいいかな〜」

「私は反対ですね。リスクもありますし、何よりあの会長がまだ何か隠しているようにも思えます」

「あの人の話に裏はないですよ。私も反対ですね」


 ふむ。賛成派はシリウスとアル、龍君で反対派が桜、ノルンと。確かにあの人の話はろくなもんじゃない。てか、本音が学校の活性化みたいなもんだしな。先生の行方不明問題も、本当はあいつ1人で何とかなるんだろうし。だが…


「俺はこの話になろうと思う」

「…正気ですか?」


 桜が再度殺気溢れる眼差しを向けてきた。だからこえーよ。


「ああ。まあ、話はそこまで良くないものだろうが、()()()()()を達成させるための方法の一つだと思ってな。少なくとも俺らがその目的を現時点では達成できるとは思えない。戦力差がその一因だと思う。だが今回の話は防衛学校の指導だ。つまり…」

「そこで有力な人材を育て、我々の戦力にする、と」

「そうだ。世界中駆け回ってさん力を集めるよりは楽かなとは思う。だから俺は別にこの話は悪いもんじゃないとは思うが…」


 桜たちに目を向ける。ノルンははぁ、とため息をついた。


「まあ、ロウさんが言うならいいと思いますよ。会長さんも流石に鬼畜ではないでしょうし」

「あの人は鬼を超える存在だと思うが…まあ、助かる。そんで桜はどうだ?」


 しばらくの沈黙の後、彼女は静かに口を開いた。


「あの人はあなたにとって本当に信用できる存在ですか」

「…ああ。あいつは約束は絶対に破らんやつだ。まああの言動からは全く予想はできないだろうがな」


 すると彼女は少し肩の力を抜いて言った。


「いいでしょう。その案にのりますよ。しかし、やるからには本気で、ですよ」

「ま、そうだな」


 会長さんが戻ってきた。なんか食った後がある。ほんと自由な奴だな…


「決まったか?」

「ああ。俺ら6人ーー」


 改めて会長の目を見て言う。


「お前んとこの教師になってやるよ」













 てことがあったが、なんもルール違反していないと思うんだけどな…すると生徒たちの中からこんな声が。


「人間に教師なんてできるわけねぇだろ」


 …やっぱりなんか悪いことしたか?

よく考えたら、認識阻害とか、魔法についての説明、全然しなかったんですよね。すみません。魔法の説明は今後紹介しますので、そんなものがあると思っといてください。

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