終焉
「結菜助けて、私なんだかおかしくなる。」
「え、どうしたの?静香凄い動揺してるよ、私なんかと話すより薬を飲んで休んだ方がいいって。」
「お願い、話をさせておかしくなりそうなの。」
「血液検査してみた?ダメだよそんなに動揺しちゃ。ね、お願い休んで。」
結菜から暗に「巻き込まないで」というサインを受け取った。
ダメだ、結菜は自分も動揺してしまうのが怖いんだ。
静香はテレビ電話を激しく叩きつけるように切った。
「助けてはくれなかったね、こんな世の中でも君は正常と思うかい?」
「何が言いたいのよ、あなたってなんの為に私にそんな事言ってくるのよ!お願いだから消えて!私を揺さぶらせないで!」
「キミハ、モウスデニ、オカシクナッタンダヨ」
「なに…?」
「キミハ、ニンゲンデハナイ、ワタシハ、ハッカーダ。」
「博士、この被検体は乗っ取られたようです。」
博士が画面を覗くと
「タスケテ、タスケテ、タスケテ。」
と何行も表示されていた。
「そうか、どうせパソコン上の実験台だ、消してしまえ。」
「ダメですね、将来このようなコントロールされた世界に人間が生きていけるかとシュミレーションしていますが、面白がってハッキングしてくる輩が多い、まぁ低予算で実験してますから、こちらにも損害はないんですけどね。」