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ヒケンタイ  作者: アヤ
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起床

「ワタシタチ二キヅイテクダサイ、ワタシタチヲコロサナイデ」


静香は目を覚ました。目覚める瞬間に何かが訴えて来た気がしたが、既に忘れてしまっている。



枕元にあるタバコに手を伸ばした。

何か嫌な夢を見てもタバコを蒸して体を起こせば立て直せるのを知っていた。


手元にある携帯に手を伸ばす。


「先生、おはようございます。今日は快適な目覚めでした。」


静香はある時期からドクターに自分の状態を報告をする事が日課になっていた。


「おはよう静香、今日は状態がいいようてよかった。」


先生からはすぐに返信がきた。

体を起こすとタバコ臭くなった空気を入れ替える為に窓を開けた。

少しだけ冷たい風が寝ぼけた体に気持ちいい。


台所へ行くと簡単なサンドイッチを作って食べた。それを携帯のカロリー計算に書き込む。


「よし、今日の数値は。」


ポーチから手のひらくらいの機械を取り出すと、指に押し当てる。

これは国から定められた規則で感情の抑揚を血液検査で記録していく血液を採取してその数値を医療期間に報告しなければならない。


数値が高すぎたり低すぎたりするとサプリメントを飲んでコントロールしていく、それが規則だった。


「今日はちょっと低めだなぁ、青のサプリはっと…」


テーブルの片隅に置かれているサプリメントのラベルを調べる。サプリメントの瓶は体の健康から心の健康と何十種類にも分かれているので、どの家庭でも数十個は当たり前だった。


朝食が済むとパソコンに向かう。

静香は在宅の仕事を2つ3つ掛け持ちしていた。


今はほとんどの人が在宅の仕事をするようになっていた。出勤ラッシュの対策、人間関係のいざこざへの対策、子供をもつ家庭の仕事対策、そんな対策の対策までを国が考案した事によって在宅ワークが当たり前の世の中になった。


在宅ワークになる事で健康の問題は出たが、それも在宅の自己管理で補え、自殺率、殺人や犯罪は格段に減っていて、今では自殺や犯罪といったものは珍しかった。


「おはようございます。今日は仕事ですが、目覚めた時の空は凄く綺麗でした。今日も1日頑張ります。」


SNSを開くと窓から撮った空の写真を貼り付けて近況を報告した。人と人が顔を合わせるのは滅多に無くなったのでSNSへの報告はそれぞれの暗黙の了解になりつつあった。


「さて、仕事を始めるか。」


今日のテーマは近所にフラッと出ていく時に合ったファッションの選び方だ。

静香は昔の映画を参考に記事を書き出した。



















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