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第一話 初めて出会った日(弟篇)

今回は、短編で作った作品の続編に当たります。


・二人で見上げるクリスマスツリー

http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/1156292/


・願い事はなに?

http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/1159631/



一応、これだけでも、話が分かるようには作ってあります。

短編と若干、話が異なる点がありますが、ご了承ください。




 「初めまして、健一くん」




 あれは、もう十年も前の事だ。


 あの日は父親に連れられ、とあるホテルへと来て。

そのフロントで、僕はある女性と出会った。


 何でも、父はその女性と結婚したいと言う事らしい。




 「は、初めまして・・・」




 その女性が、僕に挨拶(あいさつ)をするが。

初めて合う女性に、僕は緊張した返事を返した。


 正直言って僕は、父親が再婚することには反対はしない。


 物心つく前に母親は死んでしまい。

父は、僕を育てるのに苦労しているのを間近に見ているので。

その事にはついては、賛成している。


 ただ、突然の事で。

その女性に対し、特に何の感情も起きないだけだ。




 「お母さ〜ん、この子が私の弟になるの?」




 と、その女性の後ろから、一人の女の子が出てきた。




 「こらっ、挨拶は」


 「初めまして〜」




 女性が(たしな)めると。

女の子がピョコンと頭を下げて、父に挨拶をする。




 「そうよ、健一くんって言うのよ」


 「へえ〜」




 続く女性の言葉に。

女の子は、嬉しそうにツインテールを揺らしながら(こた)える。




 「私、美緒(みお)って言うの。

 よろしくね、ケンちゃん!」


 「(ニコッ)」


 「よ、よろしく〜」




 女性の言葉を聞いた後、僕の方を向いて挨拶をする。


 女の子は、ピンクのレースが付いたカーディガンに。

花柄のワンピースと言う、可愛らしい服装であった。


 女の子は、頭のツインテールを揺らしながら。

目尻が下がった顔を更に緩ませ、笑った顔を僕に向ける。


 その笑顔がとてもまぶしくて、つい気が抜けた返事をしてしまった。


 思えば、あの時から心を奪われていたのだろう。




 *****




 「ケンちゃ〜ん!」


 「おっと!」




 胸に受ける衝撃に、思わず声が出る。


 衝撃と言っても、大した事は無いが。

出来るだけ、優しく受け止めなければならない。




 「えへへっ〜」




 女の子が僕に抱き付きながら、頬ずりをする。




 ・・・




 女の子は僕の姉で、名前は美緒と言う。


 姉さんは、ただ単に僕の姉と言うだけでなく。

それ以上の存在である。


 ハッキリ言えば、僕は姉さんに姉以上の感情を持っている。


 それは口にはこそ出さないが、おそらく姉さんも同じ思いだろう。


 しかし、それを口に出すと、この幸せな家庭が壊れるのと。

仮に恋人同士になろうとも、やることは変わることが無いので。

あえて口にはしない。


 ただ、Hをしないだけで。


 確かに、僕も思春期の男子だから。

姉さんの、膨らんだ胸と細い腰、丸いお尻には思う所はあるものの。

それ以上に、ウッカリ行き着くとこまで行った場合。

悲しい思いをさせて、傷付ける事を恐れる気持ちの方が強い。


 それもあり、出会って最初の頃は。

僕は姉さんに、抱き付いて甘えていたけど。

だんだん女性ぼくなる姉さんに、次第に遠慮していった。


 だが、僕の背丈が、姉さんと抜くようになった頃から。

逆に、姉さんが僕にくっついて、甘えるようになる。


 これを幸いに、僕も昔のように姉さんに再び密着し出したのだが。

しかしそれは、昔とは逆の意味を持つようになっていた。




 「(スーーッ・・・、スーーッ・・・)」


 「ケンちゃん、気持ち良いよぉ・・・」




 僕は、姉さんの背中を撫でる。


 昔、僕が姉さんからされたように、姉さんの背中を撫でる。


 すると姉さんが、トロける様な声を漏らすのが聞こえた。




 「ねえ、今度は頭を撫でて・・・」


 「(なでっ・・・、なでっ・・・)」




 更なる、ご要望に応えるべく。

望みどおり、今度は姉さんの、ウエーブが掛かった長い髪を撫でる。




 「はぁっ・・・」



 その僕の手の動きを受けて。

姉さんが、感に耐えないような溜息を漏らした。




 「(ぷにっ)」




 撫でられている姉さんは、天にも登るような気分なんだろうけど。

撫でている僕の方も、手触りが滑らかで抱き心地が良い。

姉さんを抱いたり、撫でたりするのがとても気持ち良い。


 それから二人は、しばらくの間。

お互いに抱き合いながら、相手の感触を味わっていた。



 ・・・



 この様に、僕たち姉弟は。

まるでイチャつくカップルの様な事を、日常的にごく普通に行っていたのである


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この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
手をつなぎながら
姉弟物の短編を取り揃えていますので、どうかご覧ください。
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