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ご挨拶
目の前に広がるのは、色とりどりの様々な料理。
きらびやかなシャンデリア。そして────
玉座に座る、シュウスティア。
無表情だが、美しく、王としての品格と、威厳を兼ね備えている。
ティアリスは緊張しながらも、シュウスティアの元へと向かった。
淑女たるもの、緊張を顔に出してはならない。常に笑顔で気品のある行動を心がけなければいけないのだ。
そして、シュウスティアの前へ────
「この度はこのような素敵な夜会にご招待頂き、心より嬉しく思います。ティアリス・フロージュ・アイクワーズでございます。」と、淑女の礼をとる。
「ん、今宵はそなたも楽しむがいい。」
そう言ってシュウスティアは、フワッと微笑んだ。
と、同時にティアリスの顔は真っ赤になったのだった。