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シュウスティアの気持ち
俺は誰も信用することが出来ない。魔法で相手の心を読めてしまうから…
何を思っていても、お見通しなのだ。
だから、権力目当ての令嬢なんかとの見合い話は無視してきた。
どんな娘も、結局は権力目当てだったからだ。
しかし、あの娘、ティアリス・フロージュ・アイクワーズは違った。心を、読むことが出来なかったのだ。しかも、今まであんなに美しい娘がいただろうか…
銀色に光る髪と真紅の瞳に、俺は心を奪われた。
圧倒的な魔力も持っていた。
妻に迎えたい。
初めてそう思える人だった。
だから、
だから俺は、
彼女をパーティーに招待したのだ。
彼女は来てくれるだろうか…
こんな気持ちになるのは、初めてだった。
そして俺は、玉座に座った。