7/34
気合いの準備!
ティアリスはソワソワしていた。
目を向けたのは彼女の好みのドレス。
落ち着いた雰囲気のある薄いピンクのもので、リボンなどは極力付けないようにしてもらった。
「ねぇー、リリアー、まだ終わんないの~?」
「もう少々お待ちください。」
ティアリスの髪を整えながら、リリアは苦笑した。今までティアリスが、こんなにパーティーを楽しみにしていたことがあっただろうか。
今日はティアリスにとって、特別なパーティーであることは、リリアには、お見通しだった。
それなら私が出来ることは、ティアリス様を最高に美しくすること。そんなことを思いながら、リリアは彼女の髪を整えていた。
「いや、違う…そうだその色だ。」
シュウスティアが身なりに気を使っている…
王宮の誰もが驚いた。一体、王様はどうしてしまったのか…
その理由を薄々知っていたのは、ティアリスの姿を見ていた、金髪の青年イースだけだった。
そしてイースは心の中で一人苦笑していた。