心ここに在らず
最近、どうもティアリスの様子がおかしい…
どこか遠くを見ていて、心ここに在らずといったような感じなのだ。
リリアはすっかり悩んでしまった。
「どうかいたしましたか?」
と聞いても、
「なんでもない」
という答えが帰ってくるだけ…
一体どうしてしまったのだろうと悩んでいるのは、リリアだけではなかった。
最近、シュウスティアの様子がどうもおかしい…
大切な書類に紅茶をこぼしたり、遠くを見ていたり…
城内では、大騒ぎだった。
「ご気分が優れないのでしたら、医者をお呼び致しましょうか?」
と、召使いが聞いても、
「いや、いい」
と答えるだけ…
ティアリスとシュウスティアの周りは、彼らを心配する声でいっぱいだった。
そんなある日…
「ティアリス様ぁー!」
リリアの声が廊下中に響いた。
「?どうかしたの?リリア?」
「た、た、た、大変でございます!!!」
「何があったの?」
「し、招待状が、、、届いたんです!!」
息も絶え絶えに言うリリア。
「?パーティーの招待状なら、そんなに珍しいことではないでしょう?」
「さ、サウスエアの王様からの招待状なんです!!!」
「シュウスティア様が?」
「!? なぜ、王様の名前を知っていらっしゃるのですか!?
ってか、この招待状、ものすごーーーく、レアですよ!」
「そ、そうなの?」
そういえば、貴族の令嬢が、サウスエアにのパーティーは、よほど王様からの信用があるか、気に入られている人じゃないと招かれないって、言ってたっけ…
「いつの間に親しくなられたのですか?って、お会いになったのですが?ティアリス様?」
「んとねー」
ティアリスは、説明するの面倒だなーと思いながら、招待状を開けた。 その瞬間、、
「!?」
眩い光が差し込み、どこからともなくシュウスティアの声が聞こえてきた。
『ティアリス、楽しみに待っている。』
「!?」
そして招待状は消えた。
「魔法、か…」
ティアリスは魔法が使えるため、そこまで驚かなかったが、魔法がつかえないリリアはものすごく驚いた。色々な意味で…
このあと、ティアリスがリリアに質問攻めにされ、リリアは二人の心情をさとったのだった…