彼のオーラは
シュウスティアのキラキラオーラ。
ティアリスはそれに違和感を感じた。あまりに不自然なほどのオーラ、威圧的なほど…
なんでだろう…
不思議に思ったティアリスは、シュウスティアをじっと見つめた…
もちろん、変な意味などない。
単なる好奇心だった……少なくともティアリスは…
しかし、勘違いしたシュウスティアが顔を赤くしたのは、仕方が無いことである。
「何だ?」
「いえ、あの…」
「?どうかしたのか?」
「シュウスティア様は…かなり高い魔力をお持ちです…よね?」
さっきから感じている違和感は魔力だと、ティアリスは直感したのだ。
「なぜそれをっ…」
相手の魔力を感じとることができるのは、魔力の極めて高い者だけ。しかも、この世界で魔力を持つものはごく少人数で。シュウスティアが驚くのも無理もないのである。
「私、生まれつき魔力が高くって」
「だが俺は何も感じないぞ」
「それは、私が魔力抑制リングをつけてるからです。あと、言葉遣い、崩れてますよ?」
「そんなの、別にどうでもいい。しかし、魔力の高い姫とは…面白い」
シュウスティアはそういって、ふわっと笑った。
ティアリスの顔が赤くなった。
漆黒の色にふわりとした微笑みは不釣り合いなようでいて、あたたかみがあって…
すると、ティアリスの背後から声がした。
「王様。そろそろ戻られませんと…」
「ん、わかった。」
金髪の青年はティアリスに一礼して去っていった。
「では、またな…」
「はい」
そして漆黒の王も去っていった。
「はぁぁぁぁ」
彼等がいなくなるのを確認してから、ティアリスは大きなため息をついた。
しかし、そのため息がなんのため息だったのか、彼女にはわからなかった。