肩書き
ティアリスは、全身に力を込めた。
魔法なら、この青年に反抗できると思ったからだ。
しかし、口を塞がれてしまっているため、魔法を唱えることができない。
「おっ!姫さん、流石の魔力だねぇ! 」
青年はそういって、ティアリスを解放した。
「離してあげるけど、騒いだりしたら、また捕まえちゃうよ?」
クツクツクツッと、青年は笑った。
「あなた、誰なの?」
ティアリスは、やっとのことで口を開いた。
青年の持つ、異様な雰囲気に圧倒されていたからだ。
ニヤリと笑った青年は言った。
「突然お邪魔しちゃってごめんねー!
俺は、ランス。魔法団第一部隊隊長ね。」
ティアリスは驚いた。魔法団とは、魔力の高い者達から選ばれる、エリートの集団のようなものだ。国境などは関係なく、自由に色々な国を行き来することが出来る。
さらに、第五部隊まで存在しており、第一部隊に入れるものは、よりすぐりのエリートのみだという。
「なんで、隊長が、、、、?しかも、第一部隊って…」
「まぁ、そんなに驚かなくっても…(笑)
魔力量は姫さんと、そんなに変わんないよー?」
ランスは、またクツクツクツっと、笑った。
「はぐらかさないで、なんでここに居るのか教えて!」
「仕方ないなぁ」
ランスは真面目なかおをして言った。
「すこし、話が長くなるよ?」
ティアリスは、コクリと頷いた。