ここは?
薄く目を開ける…
どのくらい眠ったのだろうか…
目に映り込んでくるのは、いつものベットの天蓋。体に流れ込んでくるのは、強いが、心地よい魔力…
(あれ…私…?……!?)
ふと、我に返ったティアリスは飛び起きた。
「あぁ、起きたのか…」
何故かシュウスティアの声がする。
姿も見える。
魔力も感じる。
(あぁ…夢か…)
そう思ったティアリスは再び眠りにつこうとした。
「おい、夢じゃないぞ、俺は。」
ティアリスの心を読んだシュウスティアは、再び眠りにつきそうになった、ティアリスを、慌てて起こした。
「え、、、だって、、なんで、、、?」
間違いなく、ここは自分のベット。
でも、何故、シュウスティアがいるのだろうか…?
それに、部屋に閉じ込められていたはずなのに…
ティアリスは混乱していた。
すると、シュウスティアはクスクス笑いながら、
「あの令嬢たちなら、今頃、ルキアの塔の中だ。」
と、恐ろしいことを言い放った。とてつもなく冷たい、今までに聞いたことの無いような声で。
ルキアの塔とは、重罪を犯した貴族達が、過ごす場所。軟禁状態で、外には一生出られない。
「あの…、何もそこまでしなくても…」
ティアリスが恐る恐る言うと、
「君はそうやって甘いから、閉じ込められたりするんだ。」
シュウスティアのごもっともな発言に、ティアリスは何も反論出来ないのであった。