何か用が?
あぁっ!!
美味しい、美味しい、おいしぃ~っ!
幸せ…
満面の笑みを浮かべながら、スイーツを食べ進めるティアリスをみて、シュウスティアもまた、笑顔を浮かべた。
「そんなに美味いのか?」
「はいっ!このケーキのスポンジがふわふわで… …ムグムグ」
ティアリスはあっという間に皿の上のスイーツを平らげた。
「あ~っ!美味しかった。ありがとうございます!シュウスティア様。」
「いや、喜んでもらえたのなら良かった。
…じゃあ、俺はホールに戻るから。」
「はい!ほんとーにありがとうございました!」
あー、、、もう今日は最高の1日ねっ!
ティアリスはそう思って、そろそろ帰ろうかしら、なんてことを考えていた。
そのとき、
「ちょっと、貴方、よろしいかしら?」
ベンチから腰を浮かせたティアリスの背後に、髪を高くまとめあげたツリ目ぎみのご令嬢と、その取り巻きと見られるご令嬢達が現れた。
「こちらに来て下さる?」
「?」
ティアリスは彼女達の言う通りに、後について行った。
本来なら、姫であるティアリスより位の高い令嬢など、いないはずだ。
しかし、ティアリスはまだ17歳。社交界デビューは18歳から。しかも、パーティとか、そういった類の催し物が嫌いなティアリスは、滅多にそういった場所に行かないため、多くの令嬢達が彼女のことを知らないのである。
(私に一体、なんの用があるんだろう…)
ティアリスは能天気だった。