12/34
あーん!?
夜空の下に、漆黒の髪と瞳。
白髪と赤い瞳。
「シュウスティア様?」
「あぁ。 ティアリス、何故このようなところに?」
「だって、、、スイーツ食べ損ねちゃったんですもの。」
ティアリスはそういって、頬をふくらませてみた。
すると、シュウスティアは苦笑しながら、 呪文を唱えた。
「カレンダーレ!」
シュウスティアの手に、スイーツのたくさんのった皿が現れた。
それは、ティアリスが食べ損ねたスイーツたちだった。
「こ、こ、これは!?」
目をキラキラと輝かせて、子供のように無邪気な顔をしたティアリスの口からは、今にもヨダレがたれそうだった。
「食べられなかったんだろ?」
くすり、と笑いながらシュウスティアは皿の上のミニタルトをつまんだ。
「ほら、口を開けろ」
「い、い、いいです!!ひ、一人でたべられますから!」
シュウスティアの思いもよらない行動に、夜風にあたりすっかり冷めた頬を、再び赤くしたティアリスだった。