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第一章 第四話 始まりの旋律と硝煙の匂い

 さて、私の視線の先にあったもの。

 それは爆発の起きた教会でした。

私は爆発現場の協会の裏側に来ると、ポケットから煙草を取り出し、ライターで火をつけて咥えた。あ、一応言っておくけど、私は二十歳ジャストなんで煙草は法律で許可されてますよ?

 咥えていた煙草を手に持ち直すと私は白い煙を吐き出した。そしてそれは雲になり、虚空の一員へと成り上がった。

「うーん……爆発元はここかなぁ?」

 私の視線の先には漏導ショートサーキットしている導管がある。軍の見解だとここからの漏導ということになってるけど、なんかあまりにも不自然だと私は思うんです。導管は高出力の導力を流すため、一定ラインの強度が要求される。だから、そこそこ頑丈に作ってあるの。

 私は周りを見渡し、他に焼き焦げている場所を探す。

「……あ、あった」

 教会の裏口の奥に見える、小さな焼け跡。教会の中へ入っていくと、小さな本棚を見つける。そこに一つだけ残っていた焼き焦がれていない本を下左端へと移動させる。

 すると、本棚が左にずれて、小さな扉が現れる。

「やっぱり……」

「やっぱり、アリス姉ぇはこっちにいたんすか?」

 びくん!!

 急にした声に私は後ろを振り向き左手を構えた。けど、このしゃべり方はそういえば……。

「って、何でついてきたのよ、アレックス!」

 うん。やっぱりアレックスがそこにいた。

「何でって……そりゃぁ戦闘の気配がしたからですよ?」

 うん、そうだと思った。ユリアとハンスは、真剣に危ないからと思って離しておいたけどけど、アレックスは別の理由で離しておいたの。彼は一種の戦闘狂で、戦いの匂いとやらを嗅ぎ取り、自らの身を戦いに投じていくのだ。

(……つまり、今回も激戦になるのかなぁ……)

 私は少し安心とかなりの不安がよぎった。

 不安は、新たなる戦いを感じたこと。

 安心は、あなたにこの世界の戦いを伝えられること。

「ん〜……まぁ、ついてきたいならついてきたら?」 

「んじゃ、遠慮なく」

 そして、私とアレックスは扉に入っていった。

 

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