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バカな男のハーレム ~胡散臭さ満点王子~

お読み頂きましてありがとうございます。

「おお神よ。聖霊の神よ。ありがとうございます。フラウ、君は本当に優しい・・・優しい・・・うぐっ。」


 そこには胡散臭さ満点の元王子が居た。『鑑定』魔法で確かめたが本物だった。


 しかし、コイツが今まで見てきた王族の中で一番混血度が低いのは納得いかないっ。


 貴様が聖霊の名前を呼ぶな。穢れるだろう。


 しかも、良く見ると下品な化粧までしているよ。キモイよ。確かに公式の場では王族たちは皆さんうっすらと化粧をされているよ。それは見栄え良くするためであって、こんな退廃的な化粧の仕方じゃ無い。


 王族たちに化粧を施している侍女たちに謝れーっ!


 着崩した浴衣から青白い生足が・・・ぅぅぅ・・・やっぱりキモイよ。見たくない!


 その胡散臭さがゴブリンにもわかったのか、口を塞がれて黙らされている。ナイスっ!


 ああ嫌だ嫌だ。こんなヤツを好きだと思っていた過去の自分を殴り飛ばしたい。


 見なかったことにしよう。


「フラウちゃん大丈夫かい? やっぱり、止めておいたほうが・・・。」


 あまりにキモい胡散臭さ満点王子の姿に意識が遠のきそうになったが、レイティアさんの言葉に我に返った。


「いえ大丈夫です。」


 胡散臭さ満点王子はともかく、ジーナさんは助けないといけない。


 既に親分衆の手下がゴブリンを袋小路に追い詰めていた。


 ここからは、ゴブリンに城外に逃げて貰う。そして、人質を担いだまま城壁を登ったタイミングで『転移』魔法でゴブリンにすぐそばに行き、『ファイアボール』魔法でゴブリンの頭をぶっ飛ばすのが手順である。


 その為にはワザと逃走路を作ってあげなくてはいけない。ゴブリンたちがいる後ろの壁は非常に高くつかみ所が無いため、逃走路に不向きなのだが、実は物凄く薄い。


 そのため、ワザと『ファイアボール』魔法を撃ち間違えたフリをして大穴を空けてやるつもりだ。


 あの壁の後ろから、城壁に真っ直ぐ誘導するように親分衆の手下を配置してあるのだ。


 さあ上手く逃げてくれるか。


『ファイアボール』


 ち・・・外したか。


 ついつい胡散臭さ満点王子の方に向かって唱えてしまったが、抱えていたゴブリンが間一髪避けてくれた。


     ☆


 親分衆の手下には配置した位置よりも前に出ないように言い聞かせてあったのだけど、その大部分は至近距離をゴブリンが通っても微動だにせず、わき道にゴブリンたちがそれていくのを防いでくれた。


 ごくごく数人は悲鳴をあげて逃げていったけど、明日から大きな顔をして外を歩けなくなりそう。


 傍にレイティアさんがいたからかもしれない。娼館街を外れても兵士に混じって、『どこにこんなにも居たんだろう』って思うくらい沢山の親分衆の手下が立っていてくれている。


 なんて心強いのだろう。


 あと少し、もう少し・・・。


 ようやく城壁に到着すると、足場になるゴブリンが現れ、1匹、また1匹と城外に逃げていく。


 最後の2匹がそれぞれの人質を抱えたまま城壁を登り始めるとその2匹の足を足場になったゴブリンが掴む。


 なんというコンビネーション・・・いやいや感心している場合じゃない。


 このままでは3匹とも逃がしてしまう。


 私は左手のジーナさんの傍に『転移』魔法で飛びつき、『ファイアボール』でゴブリンの頭をふっ飛ばした。


 そして、もう一発右手のゴブリンに『ファイアボール』を打ち込もうとしたが間一髪遅く、胡散臭さ満点王子と共々逃げられてしまった。


 仕方が無いよね。まあ念願のハーレムが作れるんだからいいよね。ゴブリンのメスのハーレムだけど。


 2・3発逃走するゴブリンたちに『ファイアボール』を打ち込むのが精一杯だった。


ーーーお父さま。あの男は念願のハーレムを手に入れて、満足してくれるでしょうか。


 欲しかったんだもんね。良かった。良かった。

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