カイハツされちゃいました ~気持ちいいです~
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「おやあ、ようやく自分の商売を思い出したのかい? でも連れてくるなら、男を連れてきなよ。パトロンとはいえ女じゃあ商売にならないだろうに。」
珍しく店主が店番をしていたらしい。
嫌みを垂れ流し、私がパトロン扱いされるのには訳がある。レイティアさんを私が国のお金を使って身請けした形で娼館から自由にしたうえで彼女に親分衆との渡し役をお願いしているからだ。
レイティアさんはその身請けしたお金を返したいらしく。娼館に居続けている。
「私、お金払います。」
「大丈夫かい。レイティアは高いぞ。」
私たちはあらゆる意味で舐められないために子爵という地位と大隊長という地位が与えられている。湯水とは言わないが使い切れないだけのお金を貰っている。
「はい。これで足りますよね。」
私は『マジックボックス』から大金貨を取り出してカウンターの上に置く。身請け料でも大金貨3枚だったから、足りないとは言わせないつもりである。事前に聞いていた通りだとすると1ヶ月通ってもまだお釣りが出るはず。
「わかったよ。行きな。」
☆
「また、借金が増えちゃったわね。」
「えっ。ごめんなさい。何であの人、ああいう風なんですか? 今、誰しも大変なときなのに少しくらい協力してくれてもいいじゃないですか。」
娼館街の他の店主たちはもっと愛想がいいし、もっと協力的なのに。
「私でもっと稼ぐつもりだったみたいね。現役で纏め役になった娼婦は今まで居なかったから、一晩で金貨3枚くらいと皮算用していたみたい。でも国の命令には逆らえないもんだから、他の娼婦は散々愚痴を聞かされて辟易しているみたい。」
「大金貨3枚じゃ安かったんですか?」
大金貨は庶民にはお目にかかれない貨幣だ。庶民が一生掛けて稼いで大金貨1枚くらいと言われている。
「仕方がないのよ。娼館街の決まりで最大でも大金貨3枚と決められているから。昔、大店の2人の商人に取り合いをさせて、値段を釣り上げた店主が居たらしくて、その所為で大店は潰れかけるわ。店主も脱税したのが見つかって娼館が潰れるわで大変なことになったらしいのよね。」
大店が潰れかけるなんて、いったい幾ら払ったんだろう。
「そうなんですか。それは悪いことをしちゃいましたね。今回の大金貨は足しにしてもらってください。その代わり、あの大金貨で買える間は毎晩抱いてください。」
「フラウちゃん。貴女、魔法で男になれるとか?」
私の魔法は万能じゃない。ときどきなんでもできると誤解される。レイティアさんは違うと思っていたのにな。
「違いますよ。最近、夜眠れなくて夜中に目が覚めてしまうんです。きっと近くに温もりがあれば寝られると思うんですが、リュウキさんに私の初めてをあげると約束しているので誰かに抱いて貰うわけにもいかないんです。」
「それなら、勇者リュウキに抱いて貰えばいいじゃないの。」
「ダメなんです。聖霊教会の言い伝えでは処女を失った場合、『聖霊の滴』としての能力が失われる可能性があるそうなんです。だから、全てが終わってからじゃないと。」
「それは宗教的な言い訳じゃないの?」
「でも本当だったらと思うと気軽に試せなくて。リュウキさんに温もりだけくださいなんて言えないです。」
「それは止めてあげて正解よ。苦行の何者でも無いらしいからね。わかったよ。私が勇者リュウキに代わってフラウちゃんの身体を開発してあげようじゃない。リュウキさんとの初夜に備えてバッチリと仕込んであげるよ。」
そのあとレイティアさんにイロイロと教えて貰い声をあげると肉体的にも疲れたのか。レイティアさんの温もりが心地よかった所為か。スーッと寝られました。
ーーーお父さま。レイティアさんが私の身体を開発してくれるそうです。
思わず声をあげてしまうような場所が私の身体にあるのですね。ビックリしました。
リュウキさんに教えてあげたら、喜んでくれるでしょうか。




