バッドエンドだそうです ~恋心がどこかにいってしまいました~
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「そうよ。良くわかったわね。今は好感度ゼロでも、これからいつまで続くかわからないミニゲームの連続でしょ。まだまだ逆転の望みは捨てていないわよ。」
今までの気落ちしていた様子からは想像がつかないほど、はっきりと私の顔を見つめて宣言する。
「この女、やっぱり牢屋に放り込んでおいたほうが良いんじゃないかしら。戦力不足分は兵士たちで賄えば良いわけだし。それくらい私の独断でできるわよ。」
エミリーが横から提案してくれる。はっきり言ってサキさんに抜けられるのは戦力的に難しい。その分、皆の危険度が増すのは確実なのよね。
「そ・そんなの出来る訳ないじゃない。今の戦略会議で決めたことをひっくり返すわけでしょ。ねえ・・・出来ないよね。」
エミリーの強い調子に押されたのか途端に弱腰に戻ってしまった。
「そんなのヴィオ国に本当のことを話せば、戦力増強出来そうじゃない。代わりにヴィオ国の牢屋に送っても良いんだしね。向こうもオーディン王子を誑かした人間を探しているわよ。」
「ダメ。そんなバッドエンド。嫌よ。」
結局、サキさんがヒステリックに叫び出す。
「もう止めましょうエミリー。ありがとう私のために。でも、彼女が抜けるとリュウキさんとシセイさんに負担がかかってしまうわ。」
実際に今までの経験でも連続して攻撃できる彼女に敵意をむき出して寄っていく魔物が多かったのである。
「そうね。じゃあ、ペアリングだけでも変えましょう。リュウキさんとフラウのペアリングで。サキさんは遊撃に回って貰う。いいわね。「い・嫌よ。」それとも本当のことをヴィオ国に話せばいいかな。」
結局、エミリーの言い分が通ったようである。
☆
ゴブリンの巣への3つのルート上に簡易砦が出来上がる。木造だが左右が谷底になっている所為か物凄く強硬な要塞になっている。
ここでリュウキさんの意見が取り入れられゴブリンの巣に向かってV字に作られている。この両側から弓をいかければ物凄く当たりやすくなるんだとか。
ヴァディス王国側の砦ではエラン王子が指揮し、ヴィオ国側の砦ではオールド王子が指揮を担当する。
そして国境の砦ではエミリー王女を主軸として近衛師団の団長、副団長がサポートに付くことになった。
「エミリー! なんで指揮なんか執るのよ。貴女は王城で護られる存在なのよ。」
エミリーが指揮を執ると聞いた私は出陣の支度をしている部屋に向かった。
「うん。そうなんだけど。サキさんは私しかコントロール出来ないでしょ。シセイのすぐ近くに居たかったの。」
そこには意志を固めた恋する女の姿があった。
「それにフラウだけ戦場に送るなんて出来ないわ。貴女ってオッチョコチョイでドジで非常識できっと傍で見ていないとハラハラドキドキのしっぱなしだと思うの。だから傍に居させてお願い。」
なんか滅茶苦茶に貶された気がするけど、今までの行いからすると否定できない。
「うん。私も親友の貴女に傍に居てほしい。夜だけはシセイさんに譲るけどね。」
ーーーお父さま。エミリーとシセイさんのことを思っても心がざわつかなくなっています。
シセイさんへの恋心はどこに行ってしまったのかしら。
エミリーへの遠慮の所為でもリュウキさんへの愛情の所為でもなさそう。
シセイさんがフラフラしていたからなのかな。きっとそうよね。
私もフラフラせずにしっかりとリュウキさんへの愛情を育てていけばいいのよ。
そうですよね。お父さま。




