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【シリーズ】 13代目の破壊神

神々を裏切った堕天使の人生

作者: 千路文也

 愛する者のためになら命を捨てる覚悟は出来ていた。これまでの研究に私の人生全てを捧げてきたのはくだらない復讐心などとは程遠く、決して万人には理解出来ない特別な愛が両者に芽生えていたからだと、私は信じている。


 彼女から答えを聞くまで真理など分からない。


 研究者の私が論理的に物事を考えず、憶測で判断するのは、恐らくこれが最初で最後だと断言する。先程にも述べた通り、文字通り全てを犠牲にした私の身体は、本来諸君らが想像する四肢を保ってはいない。


 しかし、愛する者のために禁忌を犯した代償としてはあまりにも少なすぎると感じるぐらいだ。たとえ代価として四肢を奪われて義手義足の生活を強いられても、私は後悔など微塵にも思わない。この世に生命体として生まれた以上は、達成すべき目標が定められている筈だ。それは私のような堕天使にも同じ事だと言える。



 これは運命なのだ。最大の友の手によって愛する彼女を失った私が、大切な者を取り戻そうと血眼になって研究の日々に明け暮れる。約束された将来を棒に振ってもやらなければいけない何かがそこにある。



 決して目には見えないが、子供のような小さな手でも届く範囲に浮かび上がっている存在しない物質。相反する考え方かもしれない。しかしその正体こそが【夢】だと私は確信を抱いている。目に見えないからこそ手が届くまで時間の経過を費やす。



 そう思わないと私が費やした時間はあまりにも長すぎる。果たして蘇った彼女が、私の顔を判別出来るのか。現状的に言えばそれだけが心配だ。




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