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チート人外による異世界のモテアソビ方  作者: mawari
第0章 勇者召喚と人外
6/9

5.And He Puts in A Mask

遅れました。

すいませんm(__)m

***


逃げ出した盗賊7人を追うことはしなかった。彼らに顔が割れたところで、特に問題はない。そう思ってランヤは武器庫と金庫、倉庫へ入る。一応牢屋部屋も覗いたが、そこには誰もいなかった。女はここに入れられていたのだろう。


倉庫に保管してある幾つかのもの──恐らく商人の馬車や近隣の村から強奪したのだろう──を物色する。貴重すぎるものはとらない。取るのは、ランヤ自身に必要なものとそれなりに高価と思えるものだけだ。唯一品などは足がつく可能性があるからだ。


保管されていた物品は多岐に渡っていた。マジックアイテム、衣類、塩や胡椒などの調味料に宝石などの貴金属類、いくつかの本。本は高級品らしく、貴金属類のすぐ近くに置かれていた。

歴史書や魔導書が何冊かあるだけで、娯楽系の本はない。

この5日間で【魔力操作】と【魔力支配】以外の魔法系スキルを獲得していない(というより、いろいろ試したができなかった)ランヤは、とりあえず魔導書だけでも読んでおこうと考える。


1冊、また1冊と【瞬間記憶】を使って常人にはありえない速度で読み進めていく。

結局、そこそこに厚い4冊の魔導書をすべて読み終えるのに1時間もかからなかった。

文字は【異世界からの来訪者】の称号のおかげで問題なく理解できる。


──スキル【風魔法】を習得しました──

【風魔法】Lv.1→Lv.3

──スキル【氷魔法】を習得しました──

【氷魔法】Lv.1.→Lv.3

──スキル【付加魔法】を習得しました──

【付加魔法】Lv.1→Lv.3

──スキル【回復魔法】を習得しました──

【回復魔法】Lv.1→Lv.3



4冊の魔導書の内容は以上の魔法について書かれてあり、すべての魔法を問題なく習得することができた。


魔法には必ず詠唱が必要で、ランヤがいくら粘っても習得できなかったのは詠唱を全く知らなかったからである。

詠唱、と言ってもそれは意外にアレンジがきくらしく、使っているうちに【詠唱省略】や【無詠唱】のスキルも獲得することがあるらしい。


すべてLv.3(普通は魔導書を読み込むだけではこうはならない)で習得したランヤだが、詠唱もある程度情報があれば理解することができるし、いずれ【無詠唱】のスキルも獲得できるだろうから、未だ得ていない属性の魔法を使えるようになるのは時間の問題だろう。


魔法には8種類の属性がある。基本属性の火、水、風、地から始まり、上位属性の氷、雷、光、闇。そしてさらに属性魔法以外にも召喚魔法、付加魔法、回復魔法などの無属性魔法もある。

無属性魔法の数は星の数ほどあり、【身体強化】のような簡単に取得できるものもあれば、上記の3つのような簡単ではないが体系化されていてそれなりに研究の進んでいる魔法、さらには固有スキルになるような唯一の強力な魔法などがある。

それと、無属性魔法には詠唱が要らない。必要なのは自分の鮮明なイメージだけだ。


魔導書を読み終えた後は歴史書を読もうとするが、2冊あった両方とも【大陸語】では無かった。時間をかけて解析すればランヤならば読めるだろうが、歴史などの情報は町に出てからでいいだろうと諦めることにした。



と、こんなマジックアイテムを見つけた。


**


"アイテムポーチ"


無属性魔法【空間魔法】が付与されたマジックアイテム。見た目以上の容量のものが入る。入る量はおよそ100ℓほど。現在中身無し。

属性:【空間魔法】

等級:上質級


**


(これは...非常に便利なアイテムなんじゃないか?)


ポーチの大きさはおよそ巾着袋くらいしかない。ここに100ℓも入るとなるとかなり便利だろう。

当然貰っていく。そして、折角こんな便利なアイテムを手に入れたので遠慮なくいろいろなものを詰め込んでいく。


ランヤは最後に衣類を漁る。彼の制服はこの5日間で、モンスターや盗賊の返り血で赤黒く染まっていた。さすがにこんなものを着て街へ出るわけにはいかない。するといかにも高級そうな木箱を見つけたので、中を開ける。


(!これは...)


**


"無色の衣"


極東の国でつくられた着物。特殊モンスター(危険度は低いが数が少ない)であるカラーレス・ブレイズ・モスの繭から採った絹で織った超一級品。モンスターの素材でできているのでマジックアイテムでもある。着た者に合わせてサイズが自動調整され、また体温も自動調節する。着ている者の精神状態や周囲の環境によって色が変わり、色ごとに属性が変化する。

現在の色:黒 帯の色:銀

属性:【無色】【温度調整】【魔法耐性】【物理耐性】+【闇魔法耐性】【闇魔法強化】

等級:特質ユニーク


**



実はランヤは地球にいた頃和服(着物、道着、浴衣、甚平など)を好んでよく着ていた。とはいえ、ただの着物だったのならばランヤはこれをもらっていこうとは思わなかっただろう。この世界の、この国の通常服は洋服であり和服などを着ていると否応無く目立ってしまう。

が、それを考慮しても余りある価値がこの服にはある。特質級など滅多にお目にかかれないだろう。



ふと、ランヤは一つのことを思いついた。成功するかはわからないが試みる。


(【付加魔法】でこれに【全知の双神眼】のスキルを付与できるか...?)


結論から言うと、スキルの効果の付与はできた。


【付加魔法】Lv.3→Lv.5


**


"無色の天衣"


極東の国でつくられ、さらに特殊なスキルを付与された着物。カラーレス・ブレイズ・モスの繭から採った絹で織った超一級品。モンスターの素材でスキルも付与されているのでマジックアイテム/装備でもある。着た者に合わせてサイズが自動調整され、また体温も自動調節する。着ている者の精神状態や周囲の環境によって色が変わり、色ごとに属性が変化する。破壊・汚染不可アイテム。

現在の色:黒 帯の色:銀

属性:【無色】【温度調整】【魔法耐性】【物理耐性】【破壊不可】【不穢】+【闇魔法耐性(超)】【闇魔法強化】【氷魔法耐性(超)】【氷魔法強化】【筋力アップ】【知能アップ】

等級:魔造級


**


等級も一つ上がって特質級から魔造級になっていた。おそらく、売れば一生暮らせる金が手に入るのだろうなと思いながら、ランヤはそれを再び木箱に戻してアイテムポーチにしまう。後で身体に浴びた返り血を流してから着ようと思ったのだ。







***


下駄や草履などの和服系の履物は見つからなかったので、丈夫そうでサイズの合うブーツを選んで履くことにする。

また、着物はやはり目立つだろうと考えて、焼け石に水でも無いよりはましだと思いフードつきの黒のロングコートも持っていく。


一通りの荷物をアイテムポーチに詰めたランヤは、金庫に残っていた金をすべていただくことにする。


ここ数日は略奪も密売もしていなかったせいか、そこまでの大金は無かったが、街へ出るには十分だろうの金額はあった。


この世界の通貨は辺境の部族や小国を除いて全世界共通であり、その種類は石貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨で、単位はクレー。右へ行くごとに価値が10倍になって、石貨は1クレー、銅貨は10クレー、大銅貨は100クレー、銀貨は1000クレーとなるわけである。


金庫に保管してあったのは金貨5枚、大銀貨8枚、銀貨12枚、銅貨6枚だったので、592060クレーになる。庶民1人が一月暮らすのにおよそ2万〜3万クレーしかかからないので、庶民暮らしなら1人で2年ほど暮らせる計算になる。

とはいえ、ランヤは宿暮らしをするつもりだし生活品がまだ揃っていないので、そんなに長くは暮らせないだろう。

街へ行ったら金を稼ぐ手段を探さなければならない。



武器は非常に質の良いものをすでに持っているので、投擲用の投げナイフを数本と、採取・解体用の小さめのナイフだけを拝借する。



そうして、ランヤは盗賊団のアジト(だったところ)を跡にした。



──盗賊たちの死体には、【創火の魔眼】という視線を向けた生物以外のものに火をつけることが出来る魔眼で燃やし尽くした。





活動拠点にしていた川辺へ戻り、身体に着いた血を落とした後、先ほど取ってきた着物、ブーツ、フードつきロングコートに袖を通す。


そして身の回りのものの片付けをして、必要なもの(ここ5日で採ったモンスターの魔石など)をアイテムポーチに入れ腰の帯に通せば、出発する準備はそれで完了した。


ランヤは、久しぶりに人間の生活圏に向かって足を踏み出した。







***


街へ向かって歩みを進めている時だった。

気配察知に引っかかるいくつかの反応がある。そちらの方へできるだけ気配をたてずに近づくと、すぐに剣戟と怒号、悲鳴の音が聞こえてくる。


ランヤは少しずつ近づきながら、【透視の魔眼】と【遠見】でその場を観察する。



戦っていたのは数人の騎士達と1匹のモンスターだった。


ファフナール。

この【ホルン大森林】の生態系の頂点にたつモンスターで、森に棲む緑色をした翼竜型のドラゴン。その体長は10mを超えていてその獰猛な眼光を敵に向けている。

ランヤは戦ったことは未だなかったが、この森の主として何度か見かけたことがあった。


対する騎士達は、盗賊団長マルクには及ばないものの、全員がそれなりの武勇を誇っているように見える。

が、やはり森の頂点の力は圧倒的なようですでに何人かの騎士達は地にひれ伏し、いまだ戦っている騎士にも軽くない傷が見える。


練度の高い騎士がいるということは、どこかの貴族の一行なのだろうか。しかし、国の最西端であるこの森を通るのは、この辺境を治めている領主かあるいはこの国のトップ、すなわち王族である可能性が高いだろう。


敵は勝てる保障の無い強力なモンスターの上、仮に勝っても間違いなく面倒ごとになると判断したランヤは気付かれないようにその場から脱しようする。

その時だった。


「そこのお人!待ってください!もし戦える力があるのでしたらご助力願えませんか!!」


まだ歳若い少女の声。


(......っ!?)


完璧だったはずの隠蔽ハイディングを見破られ少なからず驚いてしまったランヤは、思わず木の陰から飛び出してしまう。


(くっ!?しまった!何をやっているんだ俺はっ!)


そのまま逃げ去ればいいものを、反射的に身を出してしまった自分を叱責する。

仮にもしこのまま隠れ去ったとして、彼らが生き残って街についたら、この特徴的な恰好と容姿では間違いなく自分だとバレてしまう。


ランヤに声をかけたのは、彼と同じくらいかあるいはそれより少し幼いくらいの高貴な雰囲気の美少女。腰ほどまでの緩やかにウェーブを描いたピンクブロンドの髪が美しく輝いている。


少女とその侍女たちは飛び出したランヤを見て状況も忘れて頬を染めるが、すぐに焦燥感のある表情を取り戻してランヤに懇願する。


「お願いです!ここに1人でいるということはそれなりに戦えるのではありませんか!?力を貸してください!!」


全く厄介なことになったとランヤは思ったが、ちょうどまだ試していないこと・・もあったし、すでにドラゴンのその強烈な敵意はランヤに向かっている。


ランヤはファフナールに向けて踏み込むと、【身体強化】で底上げされた脚力で一気に跳躍する。


ありえない高さに驚愕する騎士達。ファフナールの頭上の高さに到達すると、緑竜はその鋭い顎でランヤを噛み砕こうとする。

【立体機動】で空中で身体を捻ってファフナールのその牙を避ける。

そのまま重力に引かれて落下する途中、ランヤはドラゴンの死角から抜刀で斜めに太刀を斬り上げ、急所である首を狙う。


ズパンッ、

とランヤの本気の斬撃は見事にファフナールの首を捉え、獰猛なモンスターの首が宙を舞う。


ランヤはその場にストンと着地すると、あっけなく死んだ森林の主を見て呆然としている騎士と侍女たちと身分の高そうな少女に向かって【全知の双神眼ゴッドアイズ】を発動させる。


使うのは【忘却の魔眼】と【幻惑の魔眼】だ。


**


【忘却の魔眼】


目を合わせた者の記憶を少しだけ消すことができる。

消せる記憶の重さは術者の魅力値依存、消せる記憶の時間の長さはかけられる者の精神値依存。


【幻惑の魔眼】


目を合わせた者に少しの虚構を思い込ませることができる。記憶が曖昧だとなお深くかかる。

思い込みの内容の量は術者の魅力値依存、思い込みの深さはかけられた者の精神値依存。


**


ランヤはこれで、彼がこの場にいたという事実を忘れさせ、ファフナールは騎士団の自力で何とか倒せたという思い込みをさせた。


全員に問題なく魔眼が効いていることを確認したランヤは、急いでその場を去る。


が、ランヤはこの時、「一度はちゃんとかかった術もその後に何らかの要因があると解けてしまう」という可能性を考えなかったことを、後々後悔することになるのだった。







**


はッ、と。


眼が覚めるみたいに私──メェル王国第1王女、クラリス・ダイアモンドの意識は浮上する。


えっ、と...。


今は、どういう状況でしたっけ...?


首の無い巨大な竜が目に入る。


っ!ああ、そうでした!


私はお父様──現メェル王国国王の代理として、この【ホルン大森林】の奥【ホルン大山脈】の向こうに暮らす少数部族の方たちの集落と、親交を築くために遣わされて......そしてその帰り道に、この森の主であるファフナールに襲われたのでした。


えぇと、それで、騎士団の方たちが頑張って戦ったのだけれど、状況は苦しくて、でも最後は何とか倒すことができて──?


...ついてきてくれた騎士の方たちに、あんなに綺麗に首を落とせる人がいたかしら...?


でも、、、うぅん?


なんだか違和感を感じますが、ファフナールを倒すなんて非常に凄いことなので、早く王都に戻ることにしましょう。部族の方たちの反応も良さげでしたし。


幸いなことに、死者は出なかったようで安心しました。


お兄様にもお話しないと!


怪我をした方の救急手当が終わり、私たちの馬車はメェル王国の中心へ向かって行く。







***


森の中を歩きながらランヤは考える。


(なぜあの少女に俺が隠れていることがばれたのだろうか?いや、【気配察知】の上位互換になる特殊スキルや固有スキルを持っている、ってことか...情報が少なすぎて結論が出せないな)


程なくして森の終わりまで来た。

少女の能力について答えを出すことを諦めたランヤは、別のことを考える。


(それにしても、盗賊やさっきの連中の反応を見る限り、やはりこの容姿は相当に目立つだろうな...仮面でもつけるか?)


テキトーに考えたわりにはいい案だと自分で思った。

ランヤは近くに生えている木の太めの枝を1本切ると、剥ぎ取り用のナイフで仮面の形を作っていく。


大幅に上昇した器用値のおかげか、あまり時間をかけずに作ったがそれなりのものができた。焦茶色の顔の上半分を隠すマスクは、それなりにカッコイイ、と思う。

ランヤにはその辺りの感性は欠けてるので、彼には珍しくやる気のない感想だったが。


──スキル【装飾】を取得しました──

【装飾】Lv.1→Lv.3




目指すは、メェル王国最西端の街、【イストホルン】。


「この世界の人間は、感情おれを刺激してくれるだろうか」





**


《名前》Ranya Lindwulm

《年齢》16

《種族》龍鬼族

《天職》

《職業》

《称号》【近接戦地球最強】【人外】【異世界人】【創造神の最高傑作】

《レベル》63

《能力値》

生命:3058

魔力:2860

筋力:3472

耐久:3511

器用:3174

敏捷:3683

知能:9507

精神:8885

知恵:9124

魅力:11003

《スキル》

【威圧】Lv.10

【魅了】Lv.10

【気品】Lv.10

【剣術:刀】Lv.8(1up!)

【抜刀術】Lv.7(1up!)

【暗器術:ex】Lv.6

【投擲術】Lv.6

【二刀流】Lv.6

【立体機動】Lv.7(1up!)

【状態異常耐性:ex】Lv.7(1up!)

【体術:ex】Lv.6(1up!)

【気配察知】Lv.7(2up!)

【隠密】Lv.6(1up!)

【視線誘導】Lv.5

【薬品取扱】Lv.5

【薬品調合】Lv.4

【偽証】Lv.4

【武器鑑定】Lv.4

【野営】Lv.5(2up!)

【魔力操作】Lv.5(new!)

【身体強化】Lv.4(new!)

【風魔法】Lv.3(new!)

【氷魔法】Lv.3(new!)

【付加魔法】Lv.5(new!)

【回復魔法】Lv.3(new!)

【装飾】Lv.3(new!)

《特殊スキル》

【成長補正:超】【思考加速:上】【並列思考:上】(up!)【魔力支配:中】(new!)

《固有スキル》

全能の才能ギフトオブオールマイティ

全知の双神眼ゴッドアイズ

《種族スキル》

【天を翔ける龍、地を制す鬼】


**

ランヤくんが戦闘に眼を使うのはもう少し後...

お姫様は一応ヒロインですw

次回はレイリ視点。

投稿は朝7:00予定です。

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