世界は何も
僕自身定期的に違う感じの小説書かないと飽きるので、偶に全く関係無い短編挟む事にします。
どうせ俺が何したって、世界は何も変わらない。
朝起きて、食卓の冷めたご飯を食べて、バッグを肩に家を出る。
普通の毎日なんだ、何も変わりはしないさ。
長い勉強なんか聞き流して、宿題なんかそっちのけ。
お前らは教えるのが仕事なんだろうが、こっちは何もしたくない。ただ寝ていたい。
どうせ俺が勉強しようがするまいが、世界は何も変わらない。
暴言だけが横行し、文句は言い訳に聞こえる。
でも俺は関係無い。無理のある言い方は少しカンに障るけど。
ちっぽけな言い合いなんだ、彼らが何したって、俺も世界も何も変わらない。
サイレンがうるさい。
何かと思えば、誰かが階段から転げ落ちたと誰かの話し声から聞こえた。
何を思ったかと聞かれれば、恐らく真っ先に浮かんだのは「なんだ」。
そんな事どうでもいいって、救急車はさっさとどっかに行っててくれって。
ちょっと悪い言い方だけど、ああなっても世界は何も変わらない。
半分無関心で、半分皮肉な感じだった。
底から湧いていても、通じないものは通じない。
そう思った校舎下駄箱前。
俺の想いは、まったくもって通用しなかった。
でも1人になると、そんな事もどうでもいいと思う様になる。
無理だって分かってたさ、こうなる事も全部お見通しだって、
気が付くと、数え切れない言い訳を口にしながら泣いていた。
こんな俺がいても、世界は何も変わらなかった。
綺麗な夕日でも、隠れたままじゃそう感じない。
晴天なのに、その夕日はいつまでも隠れたままで、
もう一回やり直せたら?
出来るならやってくれ。何も恥じらいのなかった朝に戻してくれ。
今すぐ世界が終わってもいいや。急に人類が絶滅してもいいや。
ちょっと笑みがほこぼれて、
世界は何も変わらなかった。
家のポストに手を入れると、手は1つの封筒を掴んで開け口から出てきた。
俺と同じ名前宛てのそれの中身は1枚の紙で、
この前応募した品、当たったんだって。
見たっきり少し急ぎ足で玄関まで急いでいた。
世界は何も変わらないけど、ちょっぴり幸せな感じがした。