第九話 邪悪男と邪悪少女とコマ切れ魔
50㎝だ
50㎝
人類にとっては小さな距離かもしれないが
これは偉大な50㎝だ。
50㎝の距離に
少女の下着姿がある。
完璧で美しい
どこにも非の打ちどころがない
傷一つない少女の肉体が
霧早紀 美鈴が下着姿で存在している。
下着姿だ
上下共に清楚で純白の白
白!
美白!
霧早紀 美鈴の肌の白さも相まってまるで…
てか肌!
僕の初恋の相手の肌!!
何だこれ?
肌年齢いくつよ?
いや、妹の裸とかならアイツらが生まれた時から見て来たけど、
一瞬たりとも、ここまでの輝きを見たことは無い。
0歳児超え
キャリーオーバー
超美肌
いやいや
いやいや
いやいやいや
そこじゃない
正直、霧早紀 美鈴のドコをとっても美しさの表現に困るのだが、
何といってもやはり
お尻
お尻?
なんだ なんか失礼だ
霧早紀 美鈴のお尻をお尻と言ってしまう事に僕は違和感を覚える。
遺憾の意を表明する。
モモ
奇跡
アート
芸術…
ダメだ、言葉では表現できない。
なぜ僕はもっと国語を学ばなかった。
国民が国語を学ぶのは、このときのためだろう。
仕方ない。
こんなありふれた表現ではとても足りないのだが
超美尻
と暫定的に決定しよう
後で良い言葉が見つかったら訂正するように。
そんな超美尻に
丸くてハリのあるプルプルヒップに、その最高級の陶磁器のような美尻の上に
ひときわ繊細な存在感を
緩やかな清流に流れる一枚の桜の花びらのような可憐さを見せる
パンツ
パンツ…
ショーツ
やっぱりパンツ
白いパンツ
僕からは後ろの美しさしか見ることが出来ないが、
光沢を放つその純白さは、何者も寄せ付けない高潔さを備えていて
高貴
孤高
気高くて侵しがたく
だからこそ、人類は手にしたくなる
至高の宝 人類の遺産 三種の神器 霧早紀 美鈴の白いパンツ
それが僕の目の前に
ぐへへへへへへへへへっへへっへっへっへ…
ゲチュンッ!!
と目の前が暗くなる。
顎を蹴りあげられた。
霧早紀 美鈴に
かかとで
シマウマのように
「あら?死肉を貪る汚らしいハイエナかと思ったら清木くんだったのね。」
悪びれる事もなく、恥ずかしがる事もなく平然と淡々と言葉を発するキリサキ。
「見られていることに気づかない無垢なる女子高生を視姦するなんて、
無垢なる者を利用する事が邪悪だと、
昔の偉いおかっぱ頭が言っていたのを思い出すわ」
「微妙に違うし!おかっぱ頭じゃないし!あんなカッコいい人を昔とか言うな!
現役だ!」
第5部は名作
けど好きなのは第4部
「だいたい、どこが無垢で無知だ!自分から脱いだくせに!
なんで今制服を脱ぐ必要が…
あ、」
「なるほど…そうすりゃオレの回復を防げる訳か」
改人 サキヨシが
少女の制服を切る事がエネルギー源である変態のサキヨシがしゃべる。
「確かに、制服を着てなかったらオレがどんなにお前を切り裂いても
俺は回復出来ない訳だが…」
「それでどうするつもりだ?
今のお前には武器も無く、腹にはデカイ風穴が空いているんだぜ?」
勝ち誇るサキヨシ
実際そうだ。
キリサキの武器は破壊され、そのキリサキ本人も大ケガをしている。
大ピンチだ。
制服を脱いだからって何になる…
ん?
大ケガ?
あれ?
そういえば
僕はさっき彼女をどう描写した?
「間違いだらけね。0点。頭が悪そうな男かと思ったら、眼も悪いのね。」
キリサキは言いながら、右手で自身のおへその部分
先ほどサキヨシのはさみが彼女を貫いたはずであろう部分の血を拭った。
はさみは制服を脱いだ時に一緒に引き抜いていたのだろ。
そう言えば先ほどの制服
ほとんど血の匂いがしなかった。
血を、ほんの少し彼女のお腹を赤く染めていただけの血を拭った彼女のお腹には
傷一つ無かった。
まるで何事もなかったかのように
完璧に美しい肌をしていた。
「ば、なんだ!?なんでだ!!
腹を刺したんだ!あんなゴツイはさみで刺した傷がこんな一瞬で治るか!!」
憤るサキヨシ
確かにそうだ。
先ほどキリサキを貫いたはさみの刃渡りは3メートルを軽く超える。
あんなモノに刺された傷が一瞬で治るはずがない。
食事でもとらない限り。
「そうね。清木くんの思った通りよ。食事をしたのよ私は。
いや、し続けていると言った方がいいのかしら。」
あれ?今 僕 心読まれた?
「体液を流し続ける2人の男...このシチュエーションだけで私は興奮出来るのよ。」
ゾクリと背中に…いやもっと背中の下の方
美尻ではないお尻の方に悪寒を感じる。
なんだ何か分からないが利用されている気がする。
無垢なる者を利用している
だとしたら邪悪はお前だ ヒーローキリサキ。
ホモォ。
「それに、私がいつそんな子供のおもちゃ見たいなモノを唯一の武器と言ったかしら? 日本刀を操る黒髪の美少女なんて、そんな設定古臭くて清木くん…ハイエナでも食べないわよ。」
自分で美少女とか言いやがった…
さりげなく僕の悪口も忘れないし…変わったな。
内面が黒ずんでいる。
腐ってる。ホモォ。
「あぁ!?じゃぁぁぁぁぁぁ!?」
サキヨシがいらついて声を出したが、それどころでは無くなったようだ。
だって、サキヨシの左足が太ももの一番太い所からプッツリと切れて、床に落ちたのだから。
「あああぁぁぁああああああああっぁあああああああ!!!!!
てめぇえええ!?オレの足をぉぉぉ!?何をしやがったぁっぁああああ!?」
叫ぶサキヨシ。
しかし変な光景である。
彼は今左足を失ったのに、何事も無く立っているのである。
平然と バランス良く
まるで何かで支えられているように。
「何って、切ったのよ。私の武器で。能力で。そんな事も分からないの?
感の鈍い男。性格も最低だし、良い所ってあなたにあるのかしら?
ハゲ鷹…清木くんにも良い所はあるのに。」
またも僕の悪態を入れるキリサキ
なんでさっきからそんな悪役になりそうな動物と僕の名前を言い間違えるんだ!?
「なめてんじゃねぇよおぉぉおぉぉぉ!くそガキがぁxっぁあぁあぁああ!!」
サキヨシがそう叫ぶと、キリサキの1メートルほど前に、先ほどキリサキを貫いたはさみと同じ大きさのはさみが出現した!
ビュンともの凄いスピードで迫るはさみ。
「キリサキ!!」
僕は叫ぶ。
だって、
だって、サキヨシの本命はそれじゃない。
先ほどキリサキを貫いた、キリサキが後ろになげたはさみが、同時に動いたからだ。
はさみの遠隔操作。
同時の奇襲攻撃。
これはマズイ!!
「ひゃはははははははは!!これが最終兵器!! ジョニー○ップ! スゥイニートッド…」
ザクリ…
ボトォ…
と
左腕が落ちた
改人サキヨシの
左腕が
「うぎゃーーーーーーーああああーあぁあぁあーーーーーー!!」
叫ぶサキヨシ。
やはり奇妙だ。
左側の腕と足が無くなったのに、まだ平然とサキヨシは立っているのだから。
サキヨシ本人は気にならないのか?
「ああ…あああ…ああああ」
うめき声をあげるサキヨシ。
「無様ね。」
何事も無かったかのようなキリサキ。
実際何事も無かった。
キリサキに襲いかかった2本のはさみは、
キリサキに触れることも無くバラバラに分解したのだから。
「なんだ…?てめぇの能力は…なんでこんな事が出来る…」
息も切れ切れなサキヨシ。
当然だ、腕と足を無くしているんだから。
「まだ分からないのかしら?本当に鈍い男。イボイノシシ…清木くん並みにニブい男は初めて見たわ。」
ニブいって…そんな素振りを見せた事が一度でもありましたっけ?
僕。
「だいたい、あなたが言っていたじゃない。黒縄のキリサキって。黒縄よ。黒縄。
この状況で黒縄って一つしかないでしょ?」
その美しい黒い髪を搔きあげるキリサキ。
フサァっとちょっと良いにおいが僕の鼻を満たす。
「髪…だと…!?」
気づいたサキヨシ。
「そう髪。強靭で凶刃な髪を操るのが私の能力。どこまでも伸びて、切れない。
様々な太さがあって、あんたの周りにある髪の太さはだいたい0,001mmくらいかしら。
見えなかった?」
見えるわけない。
あの細くて強靭な糸として有名な蜘蛛の糸でも約0,03mmなのだ。
それを自在に、どこまでも動かせる能力。
最強のヒーローなわけだ。
「それにしても、髪に負けるはさみってちょっと笑えないわよね。
あんた一体何なら勝てるの?なんて。」
ちょっと上機嫌なキリサキ。
そうか。腹ブ刺されたんだよな。
刺した本人に仕返し出来るんだ。
上機嫌にもなる。
「ちょっと、勘違いしないでくれる?
今の私がハイテンションなのは別の理由よ!」
怒るキリサキ。ってかまた心読まれた?僕。
「さて、じゃあさっさとヤりますか。最後通告はもう済んだし。
分かってきたと思うけど、アンタの体にはもう私の髪の毛が巻きついているわ。」
だから、サキヨシの体は倒れないのか。
まるでマリオネットのように。
「ま、まてまてまてまてちょっとまて!!」
慌てるサキヨシ
「降参だ!参った!もう人は襲わねえ!!罪を償うためなら何でもする。だから命だけは勘弁してくれ!!」
この期に及んで命乞い…コイツ…
「ふーん…何でもする…か。そう言った女の子をアンタはどうするんだっけ?」
冷酷に。感情を込めずに。キリサキは言った。
「い、いや…そりゃ言葉のアヤというか…なぁ…へへへ」
もう笑うしかないサキヨシ。
見苦しい。
本当に見苦しい。コイツ。
「そう。まぁどっちでも良いわ。私はアンタと違って優しいから。」
「本当か!じゃあ…」
「ええ、辱めずに殺してあげる。」
サキヨシは眼を見開いて、それは喜びの表情のためか、
首を切り落とされた衝撃のためか分からないが
サキヨシの体はバラバラに切断された。
僕はすぐに目をそむけたので分からないが、
ボチャボチャと粘着性のある液体の中にモノが落ちる音がした。
そして発火音が聞こえたので、
何事かと思いその音がしたサキヨシの体があった方に目を向けると、
緑色の煙がそこから発生していた。
緑色の炎が上がり、5分もするとサキヨシの死体は跡形も無く消え去っていた。
「組織に改造された人間が死ぬとね、こうやって死体を消されるの。
技術を盗まれないようにするためなんだろうけど。」
とキリサキは言った。
僕はサキヨシの死から目を背けたけど、彼女はずっと見ていた。
自分のしたことだから。
完璧少女。
どんなに忙しくても告白の返事はきっちり返す。
責任感もしっかり兼ね備えた才色兼備な女の子。
だからだろう。
彼女の顔色は、少し暗くなっていた。
次で第一章完!!
更新は4月26日夜の予定です!




