EP4
第4話をお読みいただきありがとうございます!
今回はサンの過去の思い出の場所「メモリアル・ブリッジ」から始まります。そこで出会った謎の美少女・メロン。彼女の強引な行動が、パン先輩との仲に波乱を巻き起こすことに……。
最後まで目が離せない展開をお楽しみください!
メモリアル・ブリッジ(サパーンプット)
サン:「……」
(サン:ここを通ると、2年前のことを思い出す。母さんがよくここに連れてきてくれたっけ……)
(回想:サンの子供時代)
サン:『母さん、ここ、すごく綺麗だね!』
母:『そうね。お母さんも子供の頃、よくここに来ていたのよ』
サン:『じゃあ、これからもずっと連れてきてね。約束だよ!』
母:『ええ、いいわよ。何度だって連れてきてあげる』
サン://橋を眺める//
(サン:……その後、父さんと母さんは離婚した。母さんが僕をここに連れてくることは二度となかったし、それ以来、母さんの笑顔を見ることもなくなったんだ……)
「ちょっと、そこの君!」
サン:「えっ……?」
メロン:「私の写真、撮ってくれない?」
サン:「あ、ええ……。いいですよ」
.
.
サン:「……撮りますよ。はい、チーズ」
(カシャッ)
サン:「はい、終わりました。一枚でいいんですよね?」
メロン:「そうよ~。ありがと!」
サン:「いえ」
メロン:「ちょっと見せて。可愛く撮れてるかな?」
メロンはスマホを覗き込むと、パッと目を見開いた。
メロン:「わあ、すごく綺麗! 上手ね!」
サン:「……」
(サン:カメラの腕じゃない。彼女がもともと綺麗だからだろう……)
メロン:「あ、忘れてた。私はメロン。メイって呼んで。16歳よ」
サン:「サンです。16歳です」
メロン:「えっ! 同い年じゃない。どこの学校?」
サン:「アルンルン技術学校です」
メロン:「ええっ!? 私と同じ学校じゃない! 何組なの?」
サン:「1年2組です」
メロン:「私は1組よ! 奇遇ね!」
サン:「そうですか……」
(サン:1組……特進クラスか。優等生なんだな)
サン:「じゃあ、僕はこれで失礼します」
メロン:「いいわよ。でも、その前に……」
不意にメロンが顔を近づけ、サンの頬に唇を寄せた。
サン:「えええええっ!?!?!?」
(サン:何考えてるんだ、この子は!? いきなり何をするんだ!)
メロン:「ふふっ。じゃあ、また学校でね、サンくん!」
メロンは楽しそうに笑いながら、風のように去っていった。
サン:「……」
翌朝
(サン:今日もいつも通りの一日が始まる……はずだった)
突然、誰かがサンの手をぎゅっと握った。
パン:「おはよー、サン! 清々しい朝ね ^^」
サン:「あ……//-//」
(サン:何なんだ……。なんで先輩は、当たり前みたいに僕の手を握ってるんだ?)
パン:「最近ちょっと寒いでしょ? だから、サンの手を貸してほしいの ^^」
サン:「……いいですよ」
(サン:……正直、めちゃくちゃ可愛いな、この人)
パン:「あ! サンの手、すごく温かいわね」
サン:「家を出る前に、温かいお弁当をカバンに入れたから、その熱が残ってるんだと思います」
パン:「あはは、そういうこと。なんだか落ち着くわ……」
メロン:「サン!!」
サン:「……メロン?」
パン:「……?」
メロンとパン先輩の視線がぶつかる。
パン:「知り合いなの、サン?」
サン:「ええと、それは……」
メロン://ニヤリと笑う// 「ええ。昨日、帰り道に写真を撮ってもらったんです」
パン:「ふーん、そうなの」
メロン:「お礼に、ほっぺにチュッてしてあげたんですよ」
パン://サンのことを鋭く睨む// 「……何だって?」
サン:「あ、あはは……。先輩、予鈴が鳴りますよ。学校に入りましょう」
サンは慌ててパン先輩の手を引こうとした。
パン:「……離して」
サン:「えっ……」
パン:「離してって言ってるでしょ!!」
パン先輩はサンの手を振り払うと、怒り心頭といった様子で一人で歩いていってしまった。
メロン:「サン、あの人と付き合ってるの?」
サン:「……付き合ってはいません。でも、あんな風に言うべきじゃなかった」
サンは冷たく言い放つと、メロンを残して歩き出した。
メロン:「……」
パン:「はぁ……」
(パン:私、何やってるのよ……。付き合ってるわけでもないのに、なんであんな態度取っちゃったの。相手の子、すごく可愛かったし……最悪だわ、私)
すると突然、冷たいジュースの缶がパンの頬に触れた。
パン:「ひゃんっ!?」
サン:「仲直りしに来ました」
パン:「……」
(パン:……もう。そんな可愛いことされたら、怒ってられないじゃない)
サン:「先輩、誤解なんです。昨日のは、僕が油断していた隙に彼女が勝手にしてきたことで、僕にはどうすることもできなかったんです。でも、もし先輩が本当に僕のことを嫌いになったなら、僕はもう……。先輩、今までありがとうございました。お元気で──」
サンが言い終わる前に、パンはサンの体に抱きついた。
パン:「もういいわよ。わかったから。……お願いだから、どっかに行かないで、サン……」
サン:「はい、先輩。どこにも行きませんよ」
サンはパンの背中で、静かに微笑んだ。
だが──その様子を、フェスが遠くから見つめていた。
フェス://般若のような、恐ろしい表情を浮かべる//
(第4話 完)
第4話まで読んでいただきありがとうございます!
新キャラのメロンが登場し、サンの争奪戦がさらに激化してきました。パン先輩の嫉妬する姿も可愛かったですが、最後のフェスの表情……怖すぎますね(笑)
次回、フェスの逆襲が始まるのか!?
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