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天空門のルシフィス  作者: かみちん
惑星イオ 光国編
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第78話 光の塔 ライティングタワー③

エリアたちは、エバからの呼び出しを受け、光の塔――ライティングタワーへと足を運んだ。


そこは、かつてエリアが修行を積んでいた場所。懐かしさと同時に、かつての同僚や光妖精たちによって思わぬ過去を暴露され、彼女はすっかり顔を赤らめてしまっていた。


それでも一行は、目的地である二百三十四階「光の精霊殿」へと無事に到着する。


「ようこそ、お越しくださいましたね」


迎え入れたのは、白銀に輝く巨大な竜――光の超位精霊エバーテインであった。


「うわっ、光竜……! 失礼しました、エレノアと申します! 以後、お見知りおきを!」


あまりの威光に驚きながらも、エレノアは深く頭を下げた。だが、どこか妙な空気が流れている。周囲の仲間たちは皆、薄く笑みを浮かべていた。


「えっ? 姉さん、なんで笑ってるの?」


「……やっぱり気づかないか」


「な、何をですか? 皆も笑ってないで教えてくださいよ~!」


「もうちょっと察しがいいと思ってたが、意外と鈍いんだな」


「ですね」


仲間たちの反応に、エレノアはただ戸惑うばかりだった。


「まあ、これくらいにしておこうか」


そう言ったエバーテインの体が、光の粒子に包まれていく。


「えっ……?」


光が収まると、そこに立っていたのは――人の姿となったエバだった。


「私が、光の超位精霊エバーテインだよ」


「えー!? みんな知ってたの!?」


「はい」


「名前からして一目瞭然だったわよ」


「バレバレだったしな」


「うそーん……」


恥ずかしそうに頬を赤らめたエレノアに、エバがくすりと笑みを浮かべる。


「全く、これだけ鈍感だと色々先が思いやられるな……特に熊との関係は」


「エバ様、それはナイショって言ったじゃないですか〜!」


熊という単語に、エレノアの耳がほんのり赤く染まる。


「応援してあげないといけませんね」


「姉さん!」


「入口での仕返しよ。ふふふっ」


ひとしきり和やかな空気が流れた後、エバが表情を引き締めた。


「さて、本題に入ろう。皆、よく来てくれた。……時間がかかってしまってすまなかったな。シールド領にいたハリア・エレバンが、エレバン帝国へ戻る動きを見せていてな」


「……お兄様……」


「対峙することになるかもしれんが、イザーナ、大丈夫か?」


「はい。私には、皆さんがいます」


「頼もしい言葉だ。さて――本来なら、これから精霊契約を執り行うところだが、実はもう契約は済んでいてな。今日は確認だけだ。そして……エリア」


「はい!」


「お前にはこれを贈ろう」


エバーテインは右手を差し出し、光の玉を生み出した。その中から、真っ白なスライムが一匹、ふわりと舞い出る。白銀の翼を持つそれは、エリアのもとへまっすぐ飛んでいった。


「これはホーリーウィングスライム。今日からお前の友達だ」


「……!!」


エリアは言葉を失い、目には涙すら浮かべている。


ホーリーウィングスライム

神聖な光の魔力を宿した白いスライム。柔軟な体は自在に大きさを変えられ、背中から出し入れ可能なスライム状の翼によって宙を舞うことができる。また人の背中に取り付き浮かび上がらせ、共に飛行することも可能。体内に蓄えられた光の魔力の影響で、体から分泌される液体には体力・魔力の回復効果があり、癒しの存在としても重宝されている。


「わぁ〜! 可愛い〜! 姉さん、念願の友達ですね!」


「うん……ありがとうございます、エバ様。さあ、こっちへおいで」


エリアは優しく手を差し出す。スライムは「ピー!」と一声鳴き、エリアの両手にふわりと降り立った。彼女はそのまま、ぎゅっとそれを抱き締める。


「大事にするからね……ピー助!」


「姉さん、ピー助って……」


「可愛いから、これで良いの」


「エレノア、お主も水竜の名を鳴き声から取っておったろうに。まったく、姉妹そろってよく似ておるわ」


「可愛い良い名前ですよ。ピー助にクルル……」


「ありがとう、イザーナ様のレミーアも良い名前ですよ」


「ありがとう」


「我には?」


「……こらっ!」


「お呼びでない? 失礼しました〜!」


イフリートが顔を出してすぐ引っ込み、一同の笑いが響く中、エバが穏やかに告げた。


「良き相棒として、仲良くするんだぞ。ホーリーウィングスライムは、大きさを自由に変えられる。背中につけて空も飛べる。後で試してみるといい」


「はい!」


「では、契約が成されているか確認をしようか。後ろの扉からベランダに出られる。イザーナよ、私と共に来るがよい」


「はい!」


イザーナが振り返ると、背後の扉が静かにスライドし、外の爽やかな風が吹き込んできた。エバと共に歩き出すその姿に、柔らかな光が降り注いでいた――。


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