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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.5.28 ニュータイプでも多分無理

 昔、某百貨店でアルバイトをしていた頃のおはなし。


 この百貨店では「お得意様向け大売出し」って催し物を季節ごとにやっておりまして、開催に当たっては、大きい倉庫だの地域のイベント会場だのをまるごと貸し切りにするというお大尽っぷりでした。


 さてさて、そこに招集されたバイト戦士たち

 彼らのメイン業務は、駐車場の誘導でございます。


 この「お得意様向け大売出し」、数日に渡って開催されるのですが、各日ごとに目玉商品がございます。


 そいつを求め、餓狼のオーラを(まと)って殺到するお客様の群。

 まだ朝早いというのに、見渡す限りの車、車、車。

 午前中は、阿修羅よろしく手が6本欲しくなるほど忙しい。


 ところでこの目玉商品は「早い者勝ち」ですので、午後はお客様が激減します。

 そうなると、駐車場の誘導役は2、3人もいればよくなってしまうので、残りの連中は、売り場の商品出しに回ったりするわけです。


 ちなみに「午後の駐車場誘導」、これがバイトの間でとにかく人気がなかった。

 客はほとんど来ないので、基本はずーっと立っているだけ。

 社員さんからは、

「お客様が来なくてもしゃがみこんだり、バイト同志で私語をしてはいけない」

 と厳命されております。

 そこらへんはさすが百貨店、キッチリしていたなあ。

 

 もちろん、駐車場にはエアコンなんて気の利いたものはございません。

 夏は暑い、冬は寒い、雨が降る日だってあるわけです。

 そして何より、退屈なことこの上ない。


 ……のはずなのですが、自分、このポジションが大好きでして、ええ。

 コミュ障を抱えた身としては、他人とほとんど触れ合わなくていいこの業務は正に天職! 社員さんにも「午後の駐車場誘導、一番に私に回してくれていいですよ」と恩着せがましく言っていたので、感謝までされてしまうというオマケつき!


 もう、一生この仕事をしていたいくらいでした。


 それはさておき――

 読者のみなさまは、「3時間ただ突っ立っていろ」と言われたら、どうやって時間を潰しますか?


「めちゃくちゃ小さな声でB'zメドレーを歌い切る」

「脳内エミュレーターでゲームをプレイする」

「宝くじが当たったらどうするかをシミュレートする」 etc.


 なるほど、なるほど。

 私はですね「足の中指と薬指を意識して動かす」に一票です。

 これがですね、意外と難しいのです。


(難易度1)親指――明確に動かしているという意識がある。

(難易度2)小指――外側に向けて指を動かそうとすると、この指だけが動く。

(難易度3)人差し指――親指の上に乗せたりできるから、動かせている。

(難易度4)中指――動かせている……はず。たぶん……

(難易度5)薬指――独立して動かせるものなのか、コレ!?


 これに一度ハマってしまうと、1時間や2時間程度は軽く経ってしまいます。

 ピアノが弾ける方は、足で暗譜でもしてみてはいかがでしょう。

 脳内の使っていない箇所が活性化されること間違いなし!


 みなさんも、先生に叱られて廊下に立たされるような機会がありましたら、ぜひ試してみてください(昭和かよッ!)


 どんどはれ。

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