2025.5.21 walking! ⑧
★ここまでのあらすじ
魔界都市TOKYOの猛烈な暑さと、靭帯断裂の痛みがアキラを襲う。
ここは地獄の一丁目なのかーッ!?
――はいはい、おおげさな物言いはおよしなさいな、まったく。
ここは東京都港区港湾2丁目。
「高輪ゲートウェイ駅」を出たところですよ。
踵にできた肉刺が少々痛みますけれど、歩けないってほどじゃあございません。
国道15号をそのまま南下していきますからね。
●品川駅
この辺りから、駅と駅の間隔が離れてくる気がする。
ほんとうだってば、「疲れた」とか「飽きた」せいじゃないから。
信じてくださいよ!
ところで品川って、自分の中では「有名な街」ってイメージがあったのだけど、
・品川プリンスホテル
・水族館
・七英雄のリーダー
の他に、名所や名物って何があっただろう?
なかなか思い出すことができない。
自分の中の「ゴイスー有名な品川像」は、一体どこから来たのだろう……
何物かの陰謀を感じる。
●大崎駅
北品川駅(京急本線)が見えてきたあたりで、地図を確認。
うーん、このまま進むと山手線から離れて行ってしまう。
そのため、少し戻って遊歩道を進む。
日陰に入ると急に涼しく感じる。
暑い暑いといっても、たかだか26℃だからなあ。
真夏になればこれより10℃は高くなるわけで……ほんとうに堪らない。
(あ、もちろん悪い意味でですよ。喜んでいるわけではないですよ)
ミャンマー大使館脇→都道418号を通って大崎駅に到着。
全行程のおよそ四分の三を消化。
進行方向が西向きになったとたん、まぶしい西日が顔を焼く。
●五反田駅
五反田駅に向かう途中、妙なものを見つけてテンションが上がる。
やたらと帽子が長い(10m以上ある!?)ノームの像。
検索してみたところ【グローイング・ガーデナー】と言うオブジェらしい。
――この帽子のグネグネ具合、クトゥルフ神話味を感じちゃうんだよなあ。
ほら、こんな神話生物いそうじゃないですか。
もちろん帽子の方が本体で、夜な夜な血を吸うんです。
で、最終の山手線に乗っていた社畜の主人公が、たまたまその吸血現場を車窓から目撃しちゃう。
そのことに気付いた神話生物は、シュルシュルシュル~と触手(帽子)を伸ばしてきて、それがこう、ぎゅぎゅぎゅ~っと山手線に絡みつくわけですよ!
ぎぎぎーっ! 緊急停車する山手線!
触手は窓ガラスを打ち破って車内に侵入!
血を吸われ、ミイラと化す乗客たち! 阿鼻叫喚!!
――そんな妄想に耽っていたら、いつのまにか五反田駅に到達。
駅の周りは道路が入り組んでいて方向感覚を失う。
こういう時、自分の直感を信用してはいけない。
ちゃんと地図を確認して花房山通りを北上する。
……というか、踵の肉刺のせいで、無駄足は一切踏みたくなかったのである。
残りはもう10km足らず。歩けない気は全くしないけれど、とにかく不快。
さっさと次の駅に向かうとしよう。
――と、字数的にも区切りがいいので、今回はここまで。
(あと2、3回で終わると思います。
お付き合いのほど、なにとぞよろしくお願い申し上げ候)




