2025.5.11 スーパーマーケットにて
みなさま、こんにちは。
つい先日、スーパーマーケットに買い物に行ったところ、なんだか趣深いことになっておりまして、ええ。
いつも買っているパスタが売り切れになっていたのでございます。
次の入荷は一週間後とのこと。いやあ、これには困った。
そのパスタ、値段的には一番お安いのですが、そこそこ美味しいので重宝しておりました。
いつもは太さ1.4mmを買っておりますので、だったら別の太さのものを……と思ったのですが、そっちも売り切れ。
もちろん、決して嬉しい事態ではありません。けれど、
「一番安いもの以外のパスタは、いつもどおり棚に並んでいる」
というのがちょっとおもしろい。
これ、お米と同じ状況ですよね。
きっと、「安いお米が売り切れだからパスタにしよう」とスライドしてきた人たちが、とりあえず一番安いパスタを買って行ったんだろうなあ。
なんと申しますか、悲惨な状況ではあります。
けれど、自分と同じような行動パターンの人間が世の中にいっぱいいるのかと思うと、さみしくないというか、同病相憐れむというか、妙なシンパシーを感じてしまうのです。
しかし、それはそれ。
今日のお昼をどうするかという問題が残っております。
(気分はすっかりパスタだったんだよなあ……)
そんな気分で隣のコーナーを見れば、なんということでしょう。
これ見よがしに蕎麦の安売りをしているではありませんか!
まったく、商売人ってのはしたたかです!!
(OK、OK、お前の思惑にのってやるさ)
そんな気持ちで一番安い蕎麦を買い物かごに放り込みましたとさ。
やれやれ――
安い米も、安い小麦もなくなり、
もしこれで安い蕎麦まで品切れになるようになったら……
まあ、問題はないんですけどね~。
私はおもむろにスマホを取り出すと、執事のセバスチャンに電話をかけました。
「ごくろう、半年前に買った日清製粉とニップンの株価はどうなっている?」
「ははっ、ゆるやかに上昇を続けております」
「もうしばらく値は上がり続けるから、売り時を見誤るなよ」
「心得ております」
「あと、シマダヤの株を買い足しておけ。伸びるぞ」
「なるほど、“蕎麦”でございますな。承りました――」
半年前の時点で、100万ドル分のキャッシュを日清製粉とニップンの株に変えてありますから、結構な儲けが出ているんですよ。
次は蕎麦の相場で一儲けしようかな、なんちゃって!!
ふふ……
ふはは……
そんな妄想にひたりながら、悲しく自転車をこいで家まで帰る私。
今日の昼飯は、つつましく蕎麦とゆで卵にいたしましょう。
どんどはれ。




