2025.5.9 あ、熊!の辞典(【な】~【の】)
――単独で記事にできるほどの内容ではない。
――しかし、頭の中に放置したままでは腐りそうだ。
そんな話題を、50音順に並べてみるという企画なのであります。
追伸
タイトルはもちろんアンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』のパクリです。
そのため、文中に熊は出てきません。御了承ください。
【南方妖怪ツンパ (なんぽうようかいつんぱ)】
たぶんフィリピンあたりの妖怪。
バナナを運ぶ貨物船か何かに紛れて日本までやってきた。
こいつに憑りつかれると、洗ったパンツを表裏逆にされたり、
洗濯機の後ろに隠されたりする。
昭和の時代に鬼太郎と戦ったときには、
頭にかぶったブリーフを高速回転させて奮闘したが、
一反木綿の「もめん切り」に敗れた。
【ニケーア公会議 (にけーあこうかいぎ)】
高校で世界史を履修していた人は何となく知っている単語。
ただ、詳しく説明しろと言われると困る。
ほら、異端がどうとかのアレがアレですよ。
【ヌクテメロン】
日本語に訳せば「夜の昼」乃至は「昼に照らされた夜」。
テュアナのアポロニウスが執筆したとされる魔術書っぽいなにか。
世に広めたのは19世紀のオカルティストであるエリファス・レヴィ。
興味深いのは、十二の時にそれぞれ七柱ずつ割り振られた「時の精霊」についての記述である。例えば、十一時の精霊アジューカスは岩石の精霊であるし、アエグルンは雷電の精霊である。
設定としてはとても魅力的なのだが、知名度はイマイチ。
原因はやはりビジュアルの弱さだと思う。
ソロモン王の魔神のように、ルイ・ル・ブルトン並みの絵師がついていれば、
もっと活躍していただろうに……
日本のサブカルへの影響も少なく、体系立って扱われているのは
「ウィザードリィ外伝Ⅳ」や「ログ・ホライズン」程度か。
【ネチ】
今でいう「百合」のこと。
死ぬまでに一度は実生活で使ってみたい単語。
皓星社の『隠語大辞典』によれば――
女学生間で熱烈に愛し合ふこと。ねつ(熱)の訛つたもの。
「あの二人はネチね」などといふ。
そうか、女学生間じゃなきゃダメなのか。
熱烈に愛し合ってなきゃダメなのか。
なんだかくやしい。
【ノクシャス・フューム】
コンピューターゲーム「ウィザードリィ」のシナリオⅥ以降に登場する呪文。
「気の領域」に属する上級呪文で、敵に悪臭爆弾を発射し、
ダメージと共に「吐き気」の状態異常を与える。
「吐き気」にかかると通常行動がとれなくなるため、意外と深刻。
それにしても、「エルフの美少女魔術師」が放つこれと、
「ドワーフのおっさん錬金術師」が放つこれとでは、
随分と意味合いが違ってくると思うのだが如何。




