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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.4.22 梂

 梂


 なんだろうこの漢字?

 決して、書くのが難しいわけではない。

 だが、日常生活ではあまり見かけない漢字ではなかろうか。


「栗には梂がある」

 ああ、これならなんとなくわかる。

「イガ」


 ところで皆様。

 実はこの話、ここからが本題なんですよ。


 じゃじゃーん(効果音)


「ところで、栗のイガって何のためについているのだろう?」


 直感的に思うのは「外敵から実の部分を守るためにある」ではないでしょうか。

 ChatGPT閣下からも、そんな回答を頂戴しております。

 触ったら、チクチクして痛いですもんね。


 ただ、我々人間にとって、イガのせいで栗の実がまったく食べられないってことはありません。靴で踏んづけるなり、石を使うなり、イガを除いて実を取り出す手段はいくらでもあります。

 熊とか鹿とかイノシシであっても、そんなに問題にはならないと思います。

 それでは、栗鼠リスレベルならどうでしょう?

 うーん、うちの近所に生息しているタイワンリス(やたら筋肉質)なら、平気でいけそうな気がするんだよなあ。

 哺乳類相手では、ちょっと防御力が足りていない気がします。


 じゃあ、鳥類はどうでしょう。

 例えばカラスは、頭脳とフィジカルであのトゲトゲをものともしません。

 平気でイガを処理し、中身を食べているみたいです。

 カケスなんかも、イガの隙間から実をほじくり出して食べていますね。

 ある程度の大きさがある存在に対して、イガはほぼ無力だってことです。


 なんだろう、悲しくなってきました…… 


 それじゃあ、ほら、スズメではどうでしょう。あのサイズならさすがに――

いや、そもそも彼らは栗の実を食べ物として捉えているのでしょうか?

 もし、この「裏裏」をごらんになっているスズメがおりましたら、コメント欄に

ご意見いただければ幸いです(露骨なコメ稼ぎ乙)。


 それにしても、本気で不安になってきました。

 もしかして、栗のイガってぜんぜん役にたってないんじゃね?


 まってまって、そう決めつけるのはまだ早い。いちばんヤバイ奴らが残っているではありませんか。

 そう、昆虫です。彼ら相手なら「イガ無双無敵モード」だったりするのでは?


             ――検索中――


 ああ、うん、全然そんなことはありませんでした。

 「クリシギゾウムシ(いわゆる栗虫の成虫)」とか言う、特攻スキルもちのヤベえやつがいましたね。彼らにしてみれば、イガなんてあってないようなものです。


 ここまでくると、栗のイガへの信頼はほとんどゼロです……

 そもそも、そんなに食べられたくないなら、ごっつい毒でも持てばいいじゃん。

 あーもう、すっきりしねえなあ。


 そうやって懊悩することしばし、こんなドンピシャのサイトを見つけましたよ。


 一般社団法人日本植物生理学会

 みんなのひろば「なぜ、クリにはトゲがあるのか」


 これ、すごく面白かったのです。解説してくださっている先生が、


  「イガに聞いても、イガは答えてくれないので分からない」

  というのが正解だと思う


 なんて回答をされていて、結局のところ、栗のイガの存在意義は()()()()()()()()()ようなのです(※)。


 ――なんというか、思った以上に深いところへたどり着いてしまいました。

 区切りがいいので、今日はここまで。

 ではでは、ごきげんよう。


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※……回答者の先生は、次のような推察もされている。「クリのイガは、クリシギゾウムシ以外の昆虫に対しては、ある程度の防御効果があるのではないか」「もしイガのないクリを作ることが出来れば、この考えが正しいかどうか確かめることが出来るのではないか」

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(以下余談)

このあいだ、「(あつ)」ってタイトルの話を書いたじゃないですか。

それが、たまたま【あ】で始まる言葉だったから、次は【い】で始まる言葉を題材にしようかなって、そんな適当な理由で書き始めたのに、調べれば調べるほど、どんどん深みにはまっていくのですよ……楽しすぎる……

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