2025.4.20 圧(やや下ネタ注意)
ある日の夜、散歩の途中でもよおして、公衆トイレに立ち寄ったのです。
すると、ちょうどトイレから出てきた酔っ払いのおじさんが、何やらブツブツ文句を言っているではありませんか。
「チキショウ、なんて勢いだ。
手がちぎれるかと思ったじゃねえか、コンチキショウ。
あーもう、びっしょびしょだよ、くそっくそっ」
……どういうことでしょう?
状況判断能力に優れる私は、即座にこう考えました。
「それってつまり、あのおじさんのオシッコの勢いが凄まじかったってこと?」
ふふっ。
ふふふふっ。
さあ、盛り上がってまいりましたよ。
支える自らの手が吹っ飛ぶほどの勢いで放尿してしまうおじさん。
Piss Like a Shotgun!
実にロックンロールではありませんか!
「ひゃあ! 便器の一つや二つ、尿圧で粉々になっているかもしれねえぜ!」
そんな期待に胸を膨らませ、トイレの中を覗き込みます。
――ところがそこは、平静そのものでした。
なんの変わった様子もありません。
さっきまでのハイテンションが、たちまち沈静化していきます。
「なーんだ、ただの酔っ払いのたわごとかよ……」
この時の私は、知る由もなかったのです。
あのおじさんの言葉が真実であったことを。
そしてほんの数十秒後に、我が身をもってそれを体験することになるなんて……
§ § §
がっかりとした気持ちで用を足し終えた私。
手を洗うため、自動感応式の蛇口に手を差し出したその瞬間――
ブシュッ! ブシュブシュッ!!
そんな破裂音と共に、衝撃が走りました。
「痛えッ!?」
スタンド攻撃でしょうか?
いいえ、違います。
とにかく、蛇口から出る水の勢いが凄まじいのです。
まるで「圧縮空気式の水鉄砲」並みの威力で、手が下に弾かれるほどでした。
ここでようやく、おじさんの言葉が理解できました。
それから一拍置いて、むしょうに恥ずかしくなってきました。
……もちろん、いい齢こいて「オシッコのいきおいすごい!」と浮かれていた自分に対する羞恥心であります。
「なんだよ『尿圧で便器が粉々』って……
最近の中年男性の股間には、ウォータージェットでもついているのかよ……
そもそも、人類の膀胱のポテンシャルを過大評価しすぎだろ……
――って、おいおいおいちょっと待てなんじゃあこりゃああ!!」
気がつけば、激しい水の勢いで跳ね返った飛沫によって、胸から腹にかけてびしょ濡れになっているではありませんか。
今なら、殉職まぎわのジー●ン刑事の気持ちが100%理解できますよ!
ああああ、もう!
びっしょびしょ!
びっしょびしょ!
おなかのあたりびっしょびしょ!
∩ ∩ ∩ ∩ ∩ ∩ ∩ ∩
( ・x・) ・x・) ・x・) ・x・) おなかのあたり
/ \ \ \ \ びっしょびしょ!
((⊂ ) ノ\つ ノ\つ ノ\つ ノ\つ)) びっしょびしょ!
(_ ⌒ヽ ⌒ヽ ⌒ヽ ⌒ヽ びっしょびしょだよ
ヽ ヘ } ヘ } ヘ } ヘ } どーしてくれんだ
ε≡Ξ ノノ `J ノ `J ノ `J ノ `J マリコちゃん!
――家に帰り着くまで、ずっとこんなテンションでしたとさ。
どんどはれ。




