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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.9.30 真空不毛地帯

「また髪の話してる…」(2000年代初頭のネットミームより)



                § § §



 みなさん、こんにちは。


「バカとハゲは二代続かない」という俗説があります。


 なんと残酷で無神経な言葉かと思います。

 これを笑って言える人間は、きっと髪の毛が豊かで、自分のことをお利口さんだと思っている人でしょう。


 悔い改めよ!

 こんなもの、科学的根拠は一つもないんですからね!!


 な、ないんですからね……(震え声)


 ちなみに、私の祖父は二人とも**光あれ**で、父親はフサフサでした。

 その事実が、ハゲしく私の頭を悩ませます。


 最近、スーパーでセルフレジってあるじゃないですか。

 その機械には、防犯カメラの画像が映し出されているのですね。


 カメラは客の手元を映すように設置されているのですが、角度の関係で後頭部まで一緒に映り込んでしまう――それを見るたび、言葉にできない寂寥感に襲われるワタクシ。


(まだだ、まだいける。しかし、三年後は……おお、カミよ!)


 そんな気持ちにさせられるんです。


 さらに追い打ちをかけるのは、おびただしい抜け毛。

 引っ越して、フローリングの床になったこともあるせいか、最近とみに抜け毛が目立つんです。


 風呂場にある抜け毛ならまだ許せます。

 そりゃ、頭をゴシゴシ洗えば、毛は抜けますよ。


 でもね、寝室に散らばる大量の抜け毛。

 毎日掃除しても、次の日にはまた散らばっている。


 これはその、本気で緊急事態エマージェンシーなのでは?

 不安になって、その髪の毛を寄せ集めて、一本一本観察してみたのですよ。


 そうしたらですね、抜け毛だと思っていた毛のほとんどは、切れ毛だったんです。


 セーフ、セーフですよ!

 限りなくアウト寄りだけどセーフ!!

 単に毛髪が痛んでいるだけじゃ~ん!!!


 急に気が楽になりまして、この毛の切れ端を、有効利用できないかなんて考えてみたわけです。

 真っ先に思いついたのは――そう、集めて「ちゃんちゃんこを編む」こと。


 最近実施された国勢調査の質問事項でもありましたよね。

「自分の抜け毛をどうやって再利用しているか」

 おそらく、国民の7割は「ちゃんちゃんこを編む」と回答したことでしょう。


 ただ、いざやってみようとすると、やたら面倒くさいことがわかりました。

 ネット上でも、実際に完成させたという人は見当たりません。


 じゃあ、どうしようか?

 こういうときこそ、AI様の力を借りてみましょう。

 カムヒア、ChatGPT!


【抜け毛を有効利用したい】


 ChatGPT氏は、いくつか案を出してくれました。

 うーん、でもさあ……


 「鳥やペット用の巣材にする」ってのは、限定的すぎませんか?


 「樹脂に封じ込めてアクセサリーにする」って、自分の髪の毛ですよ?

 ちょいとナルシストすぎませんかね。


 せいぜい実用的な案は――


1. 植物用肥料(堆肥の材料)にする

髪の毛は窒素分が多く、堆肥に混ぜると栄養補給になります。

2. DIY防虫・害獣対策

髪の毛の匂いは一部の動物(鹿やモグラなど)が嫌がるため、畑や花壇に撒いて害獣避けに使うこともあります。


 こんなところでしょうか。

 ふむ、アパートの植え込みにでも埋めれば一挙両得ではありませんか。


 しかし、「髪の毛を埋める」って行為は、なんとなく呪術めいていますね。


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吉田サン由来の“得体の知れない栄養素”を吸収した植物は自我にめざめ、

血液を求めて夜な夜なアパートの住人を襲撃する。

そんな猟奇事件を捜査することになった浪越警部の好物は、

さつま揚げと糸こんにゃくの炒め物であった。

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 そんな展開待ったなしなんじゃねえかなあ。




 うーん、結局、どうするのが一番よいのでしょうね?

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