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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.9.19 秋のホラー 台所の捕食者

 おかしいなあ、とは感じていました。


 最近、台所でジョルジアンカ(※)を見かけない。


 まあ、いくら暑いとはいえ、ぼちぼち秋ですからね。

(気候の変化か何かが原因かなあ……)と、

 その程度にしか思っていませんでした。


 しかし……

 その裏で起きていたのは、血も凍るような惨劇だったのでございます。



              § § §



 先日の夜のこと。

 トイレに行きたくなって目が覚めたのです。

 寝ぼけまなこをこすりながら、ふと台所の壁を見るとですね、


 いいいいいいっ!?


 たちまち尿意も引っ込みました。




 そこに、巨大な異形のものが張り付いていたのですからッ!


 \キャ~ッ!?/ (←スタジオのエキストラ)


 大きさは「黒いあのアレ」に匹敵するくらい。

 ですが、明らかにフォルムが違います。

 

 八方に伸びた長大な脚――

 そう、あからさまに蜘蛛なのだ!!(ニンジャスレイヤー風に)


 ……まあ、そのことを理解した段階でホッとしたのも事実。

「蜘蛛は益虫、蜘蛛は益虫」と自分に言い聞かせて、もう少し近くで観察しようと一歩踏み出した途端、そいつは猛烈な勢いで冷蔵庫の裏に隠れてしまいました。


 そのスピード、尋常ではありません。

 一体何者なのでしょう?



              § § §



 朝になって、ネットで検索してみました。

 彼の正体は、どうやら「アシダカグモ」みたいです。


 ウィキペディアの記事によれば――

(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%80%E3%82%AB%E3%82%B0%E3%83%A2)

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アシダカグモが2、3匹程度居る家では、大きな巣を作り繁栄しているゴキブリが半年以内に全滅するという。その後は別の獲物を求めてその家から姿を消すことから、インターネット上では最前線で戦う軍隊の中核を担う「軍曹」に例えて「アシダカ軍曹」と呼ばれている

-------------------------------------------------------------------------------

 ――とのこと。


 なんとまあ、頼りになる存在ではありませんか!

 これからよろしくな、軍曹!



               § § §



 こうして始まった軍曹との「どきどき☆ブートキャンプ」生活。

 ところが、ちょっとした問題が発生しまして……


 まず第一に、先住のジョルジアンカたちに比べて、大きいし動きが活発なので、遭遇時のびっくりレベルが比べ物にならないくらい高いんですよ。

 彼はどうやら台所を縄張りにしているようなのですけど、料理や洗い物をしている間は、ずっとビクビクしていなくちゃいけない。

 フライパンで炒め物をしている時とかに出てこられたら、嫌だなあ……



【BGM:Twilight Zoneのイントロ(by Manhattan Transfer)】



 それに、たまたま見てしまったのですよ……

 軍曹がジョルジアンカを捕食する瞬間をッ!!


 \キャ~ッ!?/ (←スタジオのエキストラ)


 さすがの私も、これには心が痛みまして、軍曹には家の外に御退出いただこうとしたわけです。

 

 ところがどっこい、動きが速すぎて捕まらねえでやんの。


 もうね、奴を止めるには殺虫剤を使うか、問答無用で叩き潰すしかない。

 けれど軍曹はあくまで益虫。さらに言えば、この家に対する貢献度は、

 【軍曹>ジョルジアンカ】なのは明白なわけで……


 こうして私は、途方に暮れてしまいました。


 気分はいつのまにか、とある小国の大統領。

 テロリストを鎮圧するために傭兵を招き入れたはいいけれど、そいつは陰で、国民から略奪三昧なわけです。

 しかし、全体的な治安維持のためには、傭兵を追い出すわけにはいかない――


 あ、これ、知ってますよ。

 クーデターが起きて、大統領は吊るし首。

 傭兵だけさっさと国外に逃亡するパターンですね。


 ふふ、ホントこの世は地獄だぜ……


※……「2025.8.3 ふたりいる」及び「2025.8.25 力と技の風車が回る!」参照

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