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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.9.15 ポンチョ・ザ・バカップル

【バカップル】

 人目を()()()()()バカなカップルのこと。世界の敵。



               § § §



 ものすごく気になっていたものがあるんですよ。

 その名も「バカップルポンチョ」。

 なんでも、人気のアイテムらしいのです。


 まあ、その名前を初めて見た瞬間は、「へー、そんなのあるんだぁ」くらいで、

さほど気にならなかったんですけどね。

 だんだん、だんだん、頭を侵食していくわけです。


 ――バカップルポンチョ

 ――バカップルポンチョ

 ――バカップルポンチョ


 ポンチョって、つまりは雨具ですよね、雨の日に着るあれ。

 それがどうしてバカップルにつながるのか?


 いわゆるペアルックってやつでしょうか。

 確かにあれはバカップルの象徴のような存在ですが、わざわざ商品名にする必要はないでしょう。


(わからぬ……)


 こういう時は、思考を広げてみましょう。

 雨の日でバカップルと言えば……そう、相合傘。


 ひとつの傘に身を寄せ合う男女――


「ほら、もっと寄れよ。濡れちまうぜ」

「恥ずかしい……」

「恥ずかしくなんかないさ。冷えたら大変だろ……俺が温めてやるよ」


 ……ペッ! このハレンチどもがッ!

 アホウドリ! バカマツタケ!

 そんなに温まりたけりゃ煮え湯でも浴びてろッ!




 すいません。取り乱しました。

 それはさておき、そういうことなのでしょう。

 つまり、ポンチョは一枚なのに二人で着ることができる、まるで二人乗り自転車のようなポンチョ。


 それがバカップルポンチョなのです。


 ここで一つ気になることがあるんですけどね、私が目にしたバカップルポンチョ、確か頭にこんな言葉がついていたのです。


「ユニセックス・バカップルポンチョ」


 ユニセックス――

 つまり「男性、女性の区別がありませんよ」ということです。


 おそらく、これまでのバカップルポンチョは、男性が着用する部分と女性が着用する部分の区別があったのでしょう。

 とすれば、映画『タイタニック』における例のポーズみたいな感じで、男性が女性を後ろから抱きかかえるような格好で着るんじゃないですかね。


 しかし、今は多様性の時代です。


「女性が後ろだっていいじゃないか」

「同性同士でバカップルポンチョを着たい」


 そんな声が多かったのでしょう。

 たった一つのポンチョから、世相というモノが見える。

 実に趣深いではありませんか。



                § § §



 で、ついさっき、ボーッとネットを見ていたらですね、

「人気のバカップルポンチョを大雨の時に使ってみた」

 って記事を見つけたのですよ。


 ははは、アホなことするなあって思って見てみたら……



 「バカップル」じゃなかったんです。



 「パッカブル」だったんですよ……



 「pack」+「able」=「packable」

 つまり「折りたたんで収納可能」って意味だったんです。



 ごろんごろんごろん(←無言で床をのたうち回る音)



 悪くない!

 オイラは悪くない!!


 だったら単純に「折り畳みポンチョ」って言えばいいじゃないですか!

 なんでもかんでもカタカナ語にするのが悪い!!

 オイラは悪くないんだ!!!


 ああああもう恥ずかしいぃぃぃ!

 何が「たった一つのポンチョから、世相というモノが見える」だよ!

 お前が見ていたのは単なる幻覚なんだよぉぉぉ!


 ぐわわわ~ッ! 恥ずかしい~ッ!!!!




 のたうち回った挙句、脇腹を強打したので今日はこれまで。

 ではではみなさま、ごきげんよう。

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