表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

176/260

2025.9.10 バカマツタケ

【お知らせ】

この「チラシの裏の裏には書けない」では、

謂れのない迫害に遭うバカマツタケさんやアホウドリさんを、

全力で応援していく所存であります。

 キノコ好きって、結構いるんですよ。


 けれど、趣味として確立しているわけではないので、自己紹介の時とかに

「趣味はキノコです!」とは言わない。いや、言えない。

 変な目で見られたくはないですからね。


 しかし、たまたまキノコの話題になると、目を輝かせてしまう。


「アミガサタケのフォルム、たまらないですよね」

「私は、オオゴムタケに黒蜜かけたのが好きです」

「裏山でとれたキノコがカキシメジだったんですよ。

 死にかけました。あっはっは」


 そんな彼らの前で、バカマツタケの名を出してごらんなさい。


「たまらないですね!」

「バカマツタケですか!」

「ほう、バカマツタケ!」


 キノコスキーたちのボルテージは、もうMAXなのでありますよ。


 それほどのビッグネーム、バカマツタケ。

 名著『日本のきのこ』(1988年 山と渓谷社)によれば――


「マツタケに酷似するが、やや小型で、マツタケより少し早く広葉樹林に生える」

「香りはマツタケに似るがさらに強い」

「時季外れの、しかも雑木林に生えるマツタケだからバカマツタケとはうがった名前。風味は本物に一歩も譲らず、珍重される」


 なんともまあ、ロマンの塊のような存在であります。


 けどね、だからこそ……

「バカはないんじゃないの、バカは!」

 そう思ってしまうのであります。


 ちょっと、これを見ていただきたい。

「バカマツタケ事業化についてのお知らせ」(令和6年7月31日付け)

(https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240730558278/)


 多木化学株式会社が出した、しごく真面目なリリースなのですけどね、「バカ」の字面のせいで、どうにも緊張感がないのです。


 これは、ちょっとまずいのではないでしょうか。

 「バカ」の持つ言霊は、相当なものですよ。


 ちなみに、ウィキペディアによれば――


「和名バカマツタケは模式標本の採取地となった青森県での呼び名をそのまま採用したという~【中略】~学名にも和名のローマ字綴りが採用されている」


 なんということでしょう!

 見れば確かに、バカマツタケの学名は「Tricholoma bakamatsutake」

 世界レベルで「baka」が広まってしまいました!


 例えば、私がキノコ仲間のアメリカ人マイクと話すとしますよね。

-----------------------------------------------------------------------------

Akira: Hey, Mike.

 

Mike: Hey, Akira. By the way, I wanted to ask you—this mushroom…

   What does the baka in Tricholoma bakamatsutake mean?


Akira: …It means “fool.”


Mike: Whoa, really? Baka baka, fufuu~


【以下和訳】

アキラ:やあ、マイク


マイク:やあ、アキラ。ところで教えて欲しいんだけど、このキノコ……

    「Tricholoma bakamatsutake」の「baka」ってどういう意味?


アキラ:……foolって意味だよ


マイク:ひゃああ、ほんとかい。バカ バカ ふっふー

-----------------------------------------------------------------------------


 もうね、この後、私がいかにバカマツタケさんの素晴らしさを説明しても、マイクは「バカ」にしか目がいかないわけです。

 軽はずみにバカマツタケなんて呼んでしまった津軽の民は、ホント深く反省したほうがいい。




 ――おっと、また字数オーバーしてしまった。

 バカマツタケについての想いはまだまだ尽きぬのですが、今日はここまで。

 ではではみなさま、ごきげんよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ