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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.9.6 お呼びじゃないのよマリコちゃん

 私の現住所には、水に関連する漢字が含まれているのですね。

 皆さんの住所はどうですか? 

 「沢」や「淵」といった字が含まれていませんか?


 もし含まれていたならば、気をつけたほうがよろしいかと。


 ――そう、水害です。


 9月5日午前。防災放送が鳴り響きました。

 耳を凝らせば、台風の影響で、近所の川が氾濫する可能性があるとのこと。


 しかし、以前(※1)も申し上げました通り、避難場所は近所の小学校。

 ですので、とりあえず自宅で様子を見ることにしたワタクシ。


 激しい雨の音が鳴り響く中、PCで作業をしていると、

 びちゃびちゃびちゃびちゃ……と、何やら音がするんですよ。


 それは水音なのですけど、雨の音とは違う。

 どうやら、台所の方からするようなのです。


(ありゃあ、水道の蛇口を締めるのが緩かったかな?)


 そう思って覗いてみると――


 あなや、玄関が水浸しになっているではありませんか!

 

(アイエエエ! とうとう堤防が決壊したかッ!)


 慌てて状況を確認すると、玄関の天井のはじっこから、けっこうな勢いで水が染み出してきていることがわかりました。いわゆる雨漏りというやつです。


 川の水が直接流れ込んで来たわけではありませんから、まだマシでしょうか。

 かと言って、悲惨な状況に変わりありません。


 だってね、BBMですよBBM!(※2)。

 靴も、壁に掛けていた買い物バッグも――


 びっしょびしょ! びっしょびしょ! 

 びっしょびしょだよ どーしてくれんだマリコちゃん!


 ちなみに、私のアパートの玄関は段差が無いタイプなので、溜まった水は台所へとガンガン流れ込んできます。


 放置するわけにもいかないので、管理会社に連絡したんですよ。そうしたら――


「あ、同じアパートの別の住人の方からも連絡があったんですよ。今日中に一度、そちらに伺いますので」


 そんなことをおっしゃるわけです。


 それもそうか……下の階の自分の部屋がこれなのだから、上の階はもっとエライことになっているのでしょう。


 さて、午後になってしばらくしたら、予報より早めに雨が止みました。


 雨漏りもだいぶ落ち着いてきて、管理会社の人が来て、写真を撮っていって……

 気がつけばもう夕方。


 ぼちぼち買い物に行こうと思って外に出ると、駐輪場の自転車がみんな暴風で倒れてしまっている。

 やれやれと思って自分の自転車を起こそうとしたらですね、運の悪いことに、隣の自転車のペダルがマイチャリの後輪にがっつりと食い込んでいるわけですよ。


 ちょっとやそっとでは外れそうにありません。

 おまけにそのペダル、スパイクになっていやがりましてですね、奮闘する私の手のひらに、ちくちく刺さるんです。


 痛っ、痛い、あああああん!!


 どうにか引き離したころには、自転車に溜まっていた雨露で、

 服がどろっどろ、どろっどろだよマリコちゃん……


 ああ、もう!

 ホント、ついていない一日でしたとさ!!


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※1……「2025.7.31 警報」参照)

※2……「2025.4.20 圧(やや下ネタ注意)」参照

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