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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.9.5 なぜ君は隠し味にイチゴジャムを入れたがるのか

 みなさま、こんにちは。


 突然、トーストが食べたくなったのです。

 それも、イチゴジャムとバターをコッテコテに盛ったやつ。


「ヤマ●キのジャム&マーガリンのコッペパンで、ええやん」


 その通りだけど、そうじゃないんです!

 アツアツのトーストに、砂糖と脂肪の塊を「これでもかッ」とのっけたやつを食べたいんですぅ!!


 その欲求、如何ともしがたく、私はスーパーに走るのでありました。



          【ジャムバタトースト堪能中】



「……ふぅ、余は満足じゃ」


 この上なく満ち足りた気持ち。

 それから、残った食材にちらりと目をやります。


 バターは、そもそも常備しているから、よいのです。

 食パンは、ピザトーストという楽しみ方もある。


 問題はジャムなんだよなあ。

 またトーストにするか、ヨーグルトにでも入れるか。

 保存の効くものではありますが、一度開けてしまった以上、早く食べてしまうに越したことはありません。


 さて、どうしたものか……



             【数日後、スーパーにて】



 何ということだ。牛肉(国産)が安い。

 おまけにそれが5割引きとは、なんたる僥倖か!


 その切り落とし肉のパックを、半自動的に買い物カゴに放り込みます。


 しゃぶしゃぶだ。

 久しぶりにしゃぶしゃぶにしよう。

 もう、頭の中はしゃぶしゃぶしゃぶしゃぶとまるで洪水状態。


 しかし、そうすると大根を買わなくてはいけません。

 大根おろしの無いしゃぶしゃぶは、しゃぶしゃぶ足り得ない。

 大宝律令にすら記載されているレベルの常識ですからね。


 浮かれ気分で大根を手に取る私。

 

 ……そう、この時すでに懊悩の種が蒔かれていただなんて、

 しゃぶしゃぶ祭りの吉田サンが、気付くはずもありません。



             【しゃぶしゃぶ堪能中】



「……ふぅ、朕は満足じゃ」


 この上なく満ち足りた気持ち。

 それから、残った食材にちらりと目をやります。


 二分の一カットの大根を買ったとはいえ、その半分以上が残っている状態。

 こいつをどうするか、頭の痛い問題であります。


 できれば2、3日のうちに食べてしまいたい。

 おでんにするか? それともブリ大根?


 うーん、うーん。

 おでんにした場合、チクワやこんにゃくが中途半端に残って、また、

「どうやって食べきろう」って悪循環に陥るんですよね。


 じゃあブリ大根かぁ……

 作るとなると意外と気力がいるんだよなあ、アレ。

 それに、最近はあんまり使わないので、みりんを買い置きしていないのです。

 そのためだけにみりんを買ってくるのもなあ……


 その時ふと、冷蔵庫からのプレッシャーを感じてしまったのです。


 ――味醂の代わりにイチゴジャムを使ってブリ大根を作れば、どうなる?


 なんたる悪魔的発想か!

 たとえ「愛のエプロン」に出場したデヴィ夫人やインリン様でさえ、そんな無茶はしないでしょう。


 いや、しかし、まさか……

 そう思って検索してみるとですね……


 ちゃーんとあるんですよ。

 ジャムを使ったブリ大根のレシピが。


 けれど、その場合のジャムは「オレンジジャム」あるいは「マーマレード」

 つまり、柚子の代わりとして使っているんです。


 果たして、イチゴジャムでもいいのでしょうか?


 さあッ、吉田ッ!

 どうする、どうするッ!?(「黒蜥蜴」の美輪明宏ふうに)










 葛藤の末、大根は「引き菜汁」となりました。

 

 仮に二十年前であれば、「イチゴジャムブリ大根」に挑戦していたことでしょう。 

 しかし、人は変わるもの。もう、あのころの私ではないのです。




 それにしても、イチゴジャムをどうしようかなあ……

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