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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.8.6 この海のどこかにダニーがいる

女:誰ッ?


モ:ふふふ、私の名前はモスキートン公爵


ダ:そしてその連れのダニーだぁ(裏声)


モ:キミの血は美味しそうだな


女:キャー


           ぶしゅー


--------------------------------------------------------------------------------


 みなさん、こんにちは。


 古来、情報というモノには、何物にも代えがたい価値があるとされてきました。

 例えば歴史小説などでは、織田信長の実施した楽市楽座について、


「諸国から流れ込んで来る商人は、情報を持っているからの。

 本当のところ、お館様が求めていたものはこれだったのじゃ」


 などと言わせたりしていますね。ホントかどうかは知りませんが。


 さて、価値というからには、そこに貴重なものと、そうでないものが存在します。

 現代のインターネット社会では、誰もが膨大な情報を手軽に検索できますよね。

 ですので、検索すればすぐに手に入るような情報の価値は低く、一方で、簡単には見つけられない情報にこそ、真の価値があると言えるでしょう。


 ――で、冒頭に戻ってモスキートン公爵。


 こいつは、テレビCMの一幕です。

 放送していたのは、おそらく30年くらい前だったかと記憶しています。


 要するに、モスキートン公爵は蚊、ダニーはまんまダニの擬人化で、最後は殺虫剤を吹きかけられておしまい。ただそれだけのCMです。


 ただ、ワタクシこのCMが大好きでして、ええ。

 とにかくユルいんですよ。何もかもユルい。

 まず、出演者の演技がユルい。

 今まさに血を吸われようとしているお姉さんには緊張感がないし、

 モスキートン公爵もダニーもタキシード着て微妙な被り物してるだけだし、

 なによりダニーの裏声が笑いのツボに入ってしかたない。


「そしてその連れのダニーだぁ(裏声)」


 今考えたら、この自己紹介も日本語としてなんか変ですよね。

 

 ふ、くひひひっ……(思い出し笑い)

 あーもう! また見たくなっちゃったじゃないですか!


 ところでこのCM、けっしてマイナーなものじゃありません。

 それなりに放送されていて、何度も目にした記憶があります。

 商品名は思い出せませんが、こんなアホなCMを作るのはどうせキンチョーでしょう(←褒めている)。


 ――そう思って検索してみたのですが、見つからないのですよ。


 私が知りたかったのは、「マスターモスキートン」ではないのです。

 そういや、あかほりさとる先生はお元気なんでしょうか。


 それはさておき……。

 かれこれ2、3時間もネットの海に潜っているのですが、商品名すらはっきりしないのです。


 時間がもったいないのでもうあきらめますけど、

「今なら、この情報のために100円くらいなら支払ってもいい」

 そんな気分なのですよ。


 どんどはれ。

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