2025.8.5 パンツとモラル その大いなる幻想
「パンツをはくってモラルの基本だろ?」
「だから 俺はパンツをモラルと呼んでるんだ」
漫画『鬼灯の冷徹』より
§ § §
いまから40年ほど前、「常夏の楽園」と呼ばれる八丈島にこんな看板が出ていたことを御存知でしょうか。
「裸で町を歩かないようにしましょう 八丈島青少年問題協議会」
当時の八丈島では、全裸で外をブラブラする青少年が少なからず存在していた。
そして、そのことが問題視されていたということが分かるかと思います。
いくらおおらかな時代、おおらかな風土であっても、さすがに全裸はまずかった。
ですので、ノーパンでお外をうろつく=インモラルというのは、現代日本において「もはや常識」と断言してもいいのではないでしょうか。
……あの、それでいいですよね?
否定されると話が進みませんので、とりあえずそういうことにさせてください。
えー、ごほん。
では、パンツさえ履いていればインモラルではないのか?
これは難しいところであります。
私が小学生の頃、通学路に「ブリーフマン」と呼ばれる怪人が出没したことがあります。
彼は、その名のとおり成人男性だけを履いたブリーフです。
女子供を見かけると走り寄ってきて、「き~もちイイッ!!」と叫んでまた走り去って行く。ただそれだけの存在なのですが、とうとうお巡りさんに逮捕されてしまいました。
つまり、多摩地区においては、「パンツいっちょで徘徊=インモラル」という等式が成り立つことになります。
一方、我が家の近くの湘南海岸では、パリピがパンツいっちょで奇声を上げながらバーベキューに興じていても、一向に捕まる気配はありません。
あれ、油とかが跳ねて熱いと思うのですが、どうなのですかね?
リア充だと熱くないのでしょうか?
私みたいな陰キャとは体のつくりが違うとでも言いたいのですかね?
それはさておき……。
ブリーフマンもバーベキューパリピも、見た目だけでいえばハレンチ度数はそんなに変わりません。
しかし多摩地区とは違い、湘南海岸であればパンツさえ履いていれば許される。
TPOをわきまえろ、といったところでしょうか。
たとえば、サーフボード片手に海へ向かうパンイチ野郎――
かっこいいね!
たとえば、パンツいっちょで海岸をウォーキングするナイスミドル――
ダンディだね!
……いや、どうしてこんな話を長々としているかといいますと、どうにも判断に困ることがありまして、ええ。
先日、深夜の海岸で散歩としゃれ込んでいたのですよ。
この時期、昼間は人で溢れかえっていますが、深夜ともなればそれほどではありません。灯りがなくて薄暗いので、むしろほぼ無人と言ってもいい。
私がそうして潮風を満喫しているとですね、向こうから人が走ってくる。
見れば、それはブーメランパンツいっちょのマッチョマンだったのですよ。
彼は、けっこうなスピードで私とすれ違うと、そのまま走り去っていったのですが、なんだろう、その肌色面積の多さがどうにもひっかかった。
昼間だったらわかるんですよ。体を焼きたいのでしょう。
ただ、今は夜です。
スニーカーを履いていましたから、海に入っていたわけでもなさそうです。
夜中ランニングするのに、どうしてあんなに露出高めにする必要があるのか……
それがわからない。
少なくとも湘南海岸においては、パンツはモラルの象徴だったはず。しかし今は、彼のブーメランパンツが、インモラルなものに思えてきてしかたがないのです。
これはいったい、どうすればよいのでしょう――
§ § §
勢いにまかせて書き出したものの、その答えがいまだ見つからない私。
ですので、たわむれにAIさんに相談してみたのですね。
そうしたら……
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●ご質問の意図を汲みかねます。
「これはいったい、どうすればよいのでしょう」という問いかけに対して、どのような種類の回答を求めているのか、具体的にご説明いただけますでしょうか?
たとえば、以下のような回答の方向性が考えられます。
法律的な観点からの回答: その男性の行為が、公然わいせつ罪などに該当する可能性があるかどうかの解説。
心理的な観点からの回答: 夜中に露出度の高い格好でランニングをする人の心理や、それを見た人が抱く感情についての分析。
コミュニケーションの観点からの回答: その場で声をかけるべきだったか、あるいは警察に通報するべきだったか、といった具体的な行動に関するアドバイス。
哲学的な観点からの回答: 「モラルとは何か」といったテーマについて、文章を引用しながら深く考察する。
もしよろしければ、どのような回答を求めているのか、より詳しく教えていただけませんか。
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ふふ、とうとうAIさんにまで呆れられてしまいましたとさ。
どんどはれ。




