2025.8.1 ワレイヤン
最近どこかで「有線イヤホンは、ワイヤレスイヤホンが主流になった今でも根強い人気がある」という話を聞いたのです。
まじめな話、何を言っているか理解できませんでした。
そこで、街に出て、周囲を見回してみると――
なんとまあ、有線イヤホンを使っている人など、一人もいないではありませんか!
衝撃です。ちょっとした浦島太郎の気分です。
いまや、競馬場のおっちゃんですら、スマホにワイヤレスイヤホンで情報を得る時代なんですねえ。
スポーツ新聞片手に赤鉛筆持って、短波ラジオをBGM代わりに聞いているおっちゃんは、もう絶滅危惧種なのか……。
えー、ごほん(わざとらしい咳払いをひとつ)。
いいわけをさせていただきますと、自分、屋外では音楽を聴かないのです。そのため、そういったものに対する認識が、「ウォークマン」で止まっていたんですね。
あ、屋外で音楽を聴かない理由は、文字通り危ないからです。
ワタクシ、悲しいくらい反射神経が鈍いので、視覚だけの情報に頼っていると怪我するんですよ。
外を出歩くときは、五感をフルに活用しないと無事でいられない。
まるでサバンナの草食獣ですね。
インパラとはいい酒が飲めるような気がしてきました。
「TOKYO-SAVANNAでIMPALAと踊るYOSHIDA」
……おや?
なんだか、小室みつ子の歌詞にありそう。ヤダ! カッコイイ!!
それはさておき……。
さきほどの話はあくまで屋外の話であって、屋内では普通に音楽を聴きます。
アパートの壁は薄いですから、お隣に迷惑をかけないよう、基本はイヤホンを使っています。
で、そのイヤホンは有線イヤホン。
別に「音がいいから」とか、そんなこだわりがあるわけではありません。
その証拠に、いまもPCのUSBポートには、ワイヤレスイヤホン(以下ワレイヤン)が充電されているのです。
ワレイヤンはいいですよね。
何よりも、コードが絡まないのが最高です。
「じゃあ、なんでワレイヤンを使わないのさ?」
その疑問はごもっとも。
お答えしましょう、その理由は――「怖いから」です。
このワレイヤン、バッテリーの残量が少なくなると、すっごい大きな声で
「繝舌ャ繝?Μ繝シ谿矩㍼縺悟ー代↑縺上↑縺」縺ヲ縺?∪縺」
と警告してくるのです(音量を下げていても関係なし)。
めちゃくちゃビビるんですよ。
それもネイティブな英語だから、何を言っているのかさっぱりわからねえ。
バッテリー不足の時以外にも、いろいろしゃべるんですけどね、聞き取れたのは「でばいす こねくてっど」だけ。
せめてボディランゲージでも使ってくれればいいのですが、コードもないワレイヤンにそこまで要求するのは厳しいでしょう。
そもそもこのワレイヤン、10年くらい前に、コンビニのスピードくじで当たったものです。
説明書もどこかにいってしまいました。
ネットで使い方を検索しようにも、ワレイヤンの本体には、製品名や製品コードといった情報が一切刻まれていないのです。
ですので、勝手に大声で喋り出すのを止めることはできません。
かと言って、壊れてもいないものを捨てるのは忍びないし、新しいワレイヤンを買うのもなんだかシャクなんですよね。
そんなこんなで、いまだにやっすい有線イヤホンを使っているわけです。
ホント、せんなきことですねえ。
……ワイヤレスだけに。
どんどはれ。




