2025.7.19 あ、熊!の辞典(【や】~【よ】【わ】【ん】)
――単独で記事にできるほどの内容ではない。
――しかし、頭の中に放置したままでは腐りそうだ。
そんな話題を、50音順に並べてみるという企画なのであります。
追伸
タイトルはもちろんアンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』のパクリです。
そのため、文中に熊は出てきません。御了承ください。
【野人 (やじん)】
中国に生息するとされるイエティとかヒバゴンみたいな存在。
身長は180~190cm程度、全身が茶色の毛で覆われており、
力が強く、ニンニクのような体臭がするとのこと。
昔、野人を追い求める「野人ハンター」のドキュメンタリーを見たことがある。
かつてはチームで活動していた野人ハンターであったが、
一人抜け、二人抜け、ついには最後の一人となってしまった。
残った彼は、引退してしまった師匠のもとを訪れ、
野人を発見できない己のふがいなさを詫びる。
すると師匠は言うのであった。
「辛かったら、辞めてもいいんだよ」
見ていた私も、
「辞めた方がいいんじゃねえかなぁ」
と無責任に思ったが、
「彼は諦めず、夢を追い続ける」
といったところで番組は終わった。
それからもう十年以上経ったけれど、野人が見つかったという話は聞かない。
もしかしたら、ずっと見つからない方が、彼にとっては幸せなのかもしれないな。
【ゆく年くる年 (ゆくとしくるとし)】
NHKの「年越し番組」。
今の環境はTVがないので見られないが、引っ越すまではほぼ確実に毎年見ていた。
……にもかかわらず、
具体的な内容が何ひとつ記憶に残っていないのは凄いの一言。
かといって不要かと問われれば、まあ、あったほうがいいんじゃないのと思う。
高校の「漢文」の授業とか盲腸のようなポジション。
【世の中 (よのなか)】
有名な話ではあるが、「世の中」という言葉を、
『新明解国語辞典(第4版)』では次のように解説している。
「同時代に属する広域を、複雑な人間模様が織り成すものととらえた語。
愛し合う人と憎み合う人、成功者と失意・不遇の人とが構造上同居し、
常に矛盾に満ちながら、一方には持ちつ持たれつの関係にある世間」
それにしても、この解説のすぐ後に、
「世の中が嫌になる」
という用例をぶちかましてくる新明解さんは、
やっぱりロックンロールだと思うのさ。
【わくらば】
意味はわかんないけど響きがかっこいい言葉選手権準優勝の実力者。
1.【病葉】夏に変色して生気を失った木の葉。数え方は一枚
2.【邂逅】「わくらばに」と副詞的に用いて「たまさかに」「まれに」を意味する歌語
3.北斗の拳でモヒカンが北斗残悔拳を食らった3秒後に言いそうなセリフ
【んばお】
ファミコンゲーム「迷宮組曲」に登場する敵キャラ。
難関「氷の部屋」を徘徊しているのだが、
部屋のギミックのほうが遙かに手強いため、印象は薄い。
このしまらない企画のラストを飾るにふさわしい存在。
★「あ、熊! の辞典」あとがき
この企画、思いついた時には「アタイってばホント天才ね!」と狂喜乱舞したものですが、実際にやってみたら、形にするのにえらく手間取ってしまいました。
そのうえ、ぱっと見は手抜きにしか見えない……
ざまあないぜ!




